和装小物

2022.10.13

着物や振袖に合わせる足袋の選び方!洗い方やアイロンの掛け方、おすすめグッズも紹介

着物や振袖に合わせる足袋の選び方!洗い方やアイロンの掛け方、おすすめグッズも紹介

着物を着たことがある人ならば、足袋を履いた経験がありますよね。
真夏に浴衣を着るときを除けば、足袋なしで着物を着ることはまずありません。

ところで、足袋にTPOはあるのでしょうか。
足袋にはどんな種類があるのでしょうか?
白足袋以外の足袋は、いつ履くものなのでしょう?
また、足袋を履くと多くの人が体験する、足の痛みや不快感の解消法とは?
そのほか、足袋の上手な選び方やお手入れの仕方まで、徹底的に解説します。
足袋にまつわるさまざまな疑問やお悩みを解決しましょう。

足袋とは?

足袋の原型

足袋は文字通り“足”を入れる“袋”状のものです。
足袋の歴史は古く、起源には諸説あります。

奈良時代、西暦400年ごろには、中国からその原型とされる「襪(しとうず)」が中国から伝来し、貴族たちが使用していたとされています。
これは綾絹や麻などの布帛でつくられており、いまの靴下に近い形状で、指股が分かれておらず、底地(足裏側にくる部分)もありませんでした。
共布で作られた紐が付いており、これを足首に巻いて結んで履いていました。

古くは『古事記』の中に「襪」の文字が見られます。また、正倉院には白の襪が収蔵されています。
現代では、着物といえば鼻緒が付いた草履や下駄を履くのが普通ですが、当時、貴族の履き物に鼻緒は付いておらず、「浅沓(あさぐつ)」などといった、スリッポンのような形のものを履いていました。
その下に履くものなので「下沓(したぐつ)」、つまりソックスとして履いていたのが「襪」だったのです。

襪は、束帯(そくたい)などの正装時にのみ着用が許されており、高齢で病に臥せっているなどの理由がある場合にのみ「襪御免(しとうずごめん)」という勅許(天皇の許し)を得て着用が許されました。
恢復して脱ぐにも勅許が必要だったようです。

一方、平安初期には、山家(やまが)と呼ばれる山野で猟などをして暮らす人々が、鞣(なめ)した皮革を縫い合わせ、足首を紐で結んだ革足袋を履いていたようです。
この革足袋は、指股が分かれ、底地があり、いまの足袋の形に近いものでした。
皮革製のため、木の根が複雑に這う山中や荒れ野、藪の中などで足を保護することができました。
また指股が分かれていることで、足指が地面をしっかり捉えて踏ん張りやすいので、山の作業に適していたのでしょう。
現代の地下足袋のような役割をしていたと考えられます。

“たび”という名前の由来

平安時代中期以降には、諸国に誕生した武士たちが、遠出(=旅)をする際に、素足に草鞋(わらじ)がけでは足を痛めるため、革足袋で足を守ったようです。
この“旅”が“たび”の語源であるとする説があります。
また、この革足袋は単(ひとえ)の皮でつくられており、「単皮(たんび)」と呼ばれていたことが、平安時代に編まれた『和名抄』に記されています。
この“たんび”が転じて、“たび”と呼ばれるようになったという説もあります。
鎌倉時代の『宇治拾遺物語』にはすでに「足袋」という表記が見られます。
ただしこれが今の足袋と同じものだったのかについては分かっていません。

足袋の歴史

革足袋の時代

室町時代ごろ、草履が主流になってくるにつれ、武士の間では指股が分かれた皮革製の足袋状の履き物が普及するようになりました。
とはいえ、城主や老中の許可なしに革足袋を履くことは許されず、また履く時期も9月から翌2月までと決められていました。
実は、当時は礼装着用時や主君の前で足袋を履くことは、無礼とされていたのです。
今とは常識が真逆だったのですね。

もちろん、里や農村に住む一般庶民が足袋を履くことはありませんでした。

多くの武士にとっては、長らく革足袋の時代が続きます。
もちろん、武士も宮中参内の際などには礼服着用が義務付けられており、白平絹の襪を履く必要がありましたが、これは武士でもごく高位のものに限られたことでした。

木綿足袋の登場

戦国時代になるまで、日本には木綿が普及していませんでした。
15世紀末~16世紀にようやく木綿栽培が始まり、江戸時代前期には東北の一部を除く各地で広く綿栽培が行われるようになります。

1657年に起きた明暦の大火の影響で、庶民が防火用としてこぞって皮革を買い求めたため、皮革の価格が高騰しました。
そこで栽培が盛んになって安価に手に入るようになった木綿で足袋を作ってみると、肌触りや履き心地が良いと評判になります。
こうして急速に木綿の足袋が普及していったのでした。

武士たちは礼装の際に白足袋を履くことが礼儀とされ、江戸の町民は紺足袋が主流となりました。

コハゼ足袋の誕生

元禄年間(1688~1704年)ごろ、中国から輸入された財布にほどこされていた“爪”に着想を得てコハゼが開発され、足首をコハゼで留める足袋が考案されます。

しかし、農村を中心とした一般庶民の間では相変わらず紐で結ぶタイプの足袋が一般的で、コハゼ掛けの足袋が一般に普及するのは、明治になってからのことでした。

コハゼとは?4枚と5枚の違い

コハゼとは、足袋を履いたときにアキレス腱のあたりで留める金具のことです。
足袋を見ると、ちょうど手指の爪ぐらいの大きさの金具が、4枚、または5枚付いています。
この枚数によって「4枚コハゼ(の足袋)」「5枚コハゼ(の足袋)」などと呼びます。

コハゼは縦に一列に並んでいます。
4枚コハゼよりも5枚コハゼのほうが、1.5~2㎝ほど足首部分が深くなります。

5枚コハゼは、階段の昇降のときなどに着物の裾から素足が見えにくいので、フォーマル向きといえます。
特に関西では、足首の肌を見せないことを良しとするため、5枚コハゼが一般的とされています。

ただし、5枚コハゼは4枚コハゼよりも足首を締め付けるので、足の締め付けが気になる人、また長時間正座をするときなどは4枚コハゼのほうが楽です。

茶道やお稽古ごとで足袋を履く場合には、先生や流派によっても考え方が異なるので、どちらの足袋を選べばいいのか、先生に確認、相談するのが無難です。

足袋のデザイン別種類

白足袋

冠婚葬祭はもちろん、普段使いもできる、オールマイティーな足袋です。
一般的には木綿製で、四季を問わず使えます。

例外的なものとして新郎新婦が履く白足袋には、正絹製のものもみられます。

色足袋

無地で色が染められた足袋のことです。
カジュアルなシーンに足元のおしゃれを演出します。
冠婚葬祭などの改まった場や、お稽古ごとなどには向きません。

柄・刺繍足袋

足袋にさまざまな柄がほどこされたものを『柄足袋』といいます。
また、白地や無地の足袋に刺繡をほどこした『刺繡足袋』もあります。
どちらもデザインのバリエーションが豊富で、着物とのコーディネートが楽しめます。

あくまでも普段着用の足袋なので、冠婚葬祭やお稽古ごとなどには使えません。

足袋の素材

綿

木綿は、足袋ではもっとも一般的な素材です。
キャラコ、ブロード、男性用の足袋に多い朱子(しゅす)といった織り方のものがあります。
Webショップなどでは、ブロードのものが多く出回っています。

内生地に晒(さらし)を使った“晒裏”が一般的で、通年履くことができます。
冬用にはネルを内生地に使って保温性を高めた“ネル裏”もあります。

キャラコのほうがブロードよりも織りの目が詰まっています。
礼装にはキャラコが一般的とされていますが、キャラコとブロードを見比べても、傍目にはほとんど分かりません。

ストレッチ足袋

キャラコやブロードといった木綿の足袋には伸縮性がありません。
足袋を履きなれていない人や、外反母趾に悩む人などにとっては、伸縮性がないということが苦痛になりかねません。

こうした問題を解消するために、生地にポリエステルやナイロンなどの化学繊維を用いて伸縮性を持たせたのが『ストレッチ足袋』です。

足袋を長時間履き続けなければならない場合や正座するときでも、楽に過ごすことができます。

盛夏の普段着用の足袋で、裏表ともに本麻が使われています。
麻は風通しが良く、さらりとした風合いなので、暑い日でも爽やかな履き心地です。

正絹

結婚式などの特別なシーンで、新郎新婦のみが身に付けることができる足袋です。
正絹ならではの光沢感と滑らかな肌触りが特徴です。

ナイロン

伸縮性に富んだ生地で、履きやすいのが特徴です。
多少の雨の日でも安心して履くことができます。

ただし、ナイロンやポリエステルの足袋は絹に比べると強度が強い、という特徴があります。
歩くたびに、デリケートな絹の着物の八掛と、摩擦に強い化学繊維の足袋が擦れます。
この摩擦によって着物の裾がボロボロになる恐れがあるので、注意が必要です。

別珍

『別珍』は、ベルベットに似た滑らかさがあり、起毛した温かみのある生地です。
別珍で作られた足袋は、冬の普段着の防寒用として、大正時代から広く愛用されています。

内側にネルを使用して、より保温性を高めたものもあります。

足袋の型とサイズの見方

足袋はサイズ選びが重要

ソックスと違い、一般的な足袋にはほとんど伸縮性がありません。
そのため、サイズ選びは非常に重要です。
ワゴンセールの足袋を買ったり、人からもらった足袋を履いたりすることは避けましょう。
特に、ワゴンセールなどの安価なものは、仕立てが粗いことが多く、足指やかかとに縫い目が食い込むことも多いという難点があります。
信頼のおける老舗や大手メーカーのものを選ぶことも大切です。

足袋は足の形にぴったり合っていて、履いたときにシワが寄らないのが美しい、といわれています。
そのため、一回り小さいサイズを選ぶといい、という意見もあるのですが、窮屈な足袋を一日中履いているというのは大変な苦痛を伴います。
「靴を買うときには、夕方がいい」という話を聞いたことがあるかと思いますが、人間の足は、夕方になるとむくみます。
一回り小さいサイズでは、ただでさえ窮屈な足袋に、むくんだ足を無理やり閉じ込めたまま過ごす羽目になるのです。

また、足袋は洗うと縮みますので、ますますきつくなって履けたものではありません。
一方、ブカブカな足袋は、中で足が泳いでしまい、かえって歩きづらくなります。

足袋は、窮屈でもブカブカでも心身にストレスを与えます。
足が辛くて、着物を着るのが嫌になった、という人は、案外多いのです。

甲高、幅広、外反母趾、また親指が長い人、人差し指が長い人など、足の形は千差万別です。
足のストレスを軽減するために、足袋の専門メーカーはさまざまなサイズや型の足袋を用意しています。
メーカーによっても微妙に足型が異なるので、自分の足に合った足袋を選びましょう。

自分に合った足袋に出会うまでには、少し時間がかかるかもしれません。
しかし、「処分するのはもったいないから」といって、足に合わない足袋を履き続けるのは、体に悪影響を与えるので止めましょう。

指先からかかとまでの長さの測り方

・壁を背にして立ち、足を肩幅に開いて、壁に両足のかかとを付ける。
・足指の一番長い部分からかかとまでの長さを測る。

親指が一番長ければ、親指の指先からかかとまで、人差し指が一番長ければ、人差し指からかかとまでが、足袋に必要な足の長さになります。
右と左で足の長さが違うことも多いので、必ず左右それぞれを測りましょう。

一番長い足指は楽になったけれど、短い部分にシワや緩みが出てしまって見た目が気になる、という場合は、こんな手があります。
できるだけ柔らかいキッチンスポンジを、ブカブカした足先部分に合わせてカットして詰めてみましょう。
必ず試着して、履き心地や仕上がり具合をチェックします。
違和感があったり、まだ緩みがあったりする場合には、いったんスポンジを取り出し、カットし直して詰めます。
足にストレスがかからず、しかもきれいな仕上がりになるはずです。

足幅の測り方

・足を肩幅に開いて立ち、両足に均等に体重をかける。
・親指の付け根と小指の付け根を結ぶ、一番足幅が広い部分にメジャーを一周巻いて測る。

これも左右それぞれ測りましょう。
足のアーチが崩れて扁平になっている人は、親指から小指にかけてアーチが出るように、少し締めた状態で測りましょう。
足袋によって足のアーチが保たれ、足の疲れが軽減されます。
逆に扁平なままで幅広の足袋を履くと、足袋のホールド力がないため、足が疲れやすくなります。

足袋の誂えも可能

既製品の足袋ではなかなか合うものが見つからない場合、足袋を誂える、という手があります。
お店の人が足を測ってくれますので、比較的自分の足に合った足袋が手に入ります。
近所に足袋を誂えてくれる店がない場合、デパートの着物催事に足袋屋さんが出店することがありますので、そういった機会を利用してみましょう。

ただし、1足だけ誂えてくれるというところはほとんどありません。
たいていは数足まとめて購入することになります。
また、熟練の職人のつくった足袋であっても、履いてみたらどうもしっくりこない、ということはあり得ます。
お誂えなので、納品までには時間がかかることも知っておきましょう。

好みの柄の小風呂敷から柄足袋を誂えてくれるといったサービスもあります。

着用シーン別足袋の選び方

結婚式などフォーマルシーン

白足袋の5枚コハゼのキャラコがおすすめです。

現代の着物ルールとして、フォーマルなシーンでは白足袋を履くのが決まりです。
フォーマルな場では、着物も裾長に着付けるので、4枚コハゼでも足首が見えることはほとんどないのですが、5枚コハゼのほうが、階段の昇り降りや、記念撮影などで椅子に着席したときに足首が見えてしまう心配がありません。

厳密にはフォーマルシーンとは異なりますが、お茶事や芸事などの際には、白足袋を履くことが求められます。
コハゼの数については、先生や亭主、主催者によっても考え方が異なるので、事前に確認を取っておきましょう。

普段のカジュアルシーン

普段のカジュアルシーンでは、足袋の種類にルールはありません。
白足袋でも柄足袋も構わないのです。
白足袋ですっきりとした清潔感を演出しても良し、柄足袋や刺繡足袋、色足袋で着物とのコーディネートを楽しんでみるのも自由です。

足袋ソックスで、もっと気楽に過ごしてもいいのです。

子供の足袋もルールがある?

七五三などで子供に履かせる足袋は、たいてい白足袋です。
コハゼ付きのものが正式とされています。

とはいえ、小さなお子さんだと履かせるのも大変ですし、足に合わずに嫌がる子もいると思います。
ストレッチタイプのものならば安心です。

十三参りの頃になれば、足に合ったコハゼ付きの足袋を選んであげてもいいでしょう。

足元の悩みに!おすすめグッズ

冬の防寒対策に!『足袋インナー』

着物での外出は、足袋に草履や下駄履き、ということが多いですよね。
木綿の足袋が外気に触れたままなので、靴に比べると防寒という点では頼りなく、冷たい寒風や、冷えた板の間などでは、足元が冷えやすいものです。

そこでおすすめなのが『足袋インナー』です。

これを履いた上に足袋を重ね履きすると、足元を冷えから守ってくれます。

甲の痛みに!『足袋ぶとん』

立っている時間が長かったり歩き続けているうちに、足裏が痛くなったり、鼻緒が当たって甲が痛む、ということがあります。
そんなときに重宝するのが、『足袋ぶとん』です。

クッション部分を足裏側にすることも、甲側にすることもできるので、気になる箇所に合わせて痛みを予防、緩和することができます。

また、正座するときに甲の部分にクッションを当てると、甲の負担を軽減してくれます。

着物で一日中立ちっぱなしという人には、『足袋用インソール』もお薦めです。

雨の日の防水に!『足袋カバー』『足袋入れ』

『足袋カバー』は、撥水加工がほどこされているので、足袋の上から履くと、雨や汚れから足袋を守ってくれます。
目的地についたら、足袋カバーは脱ぎましょう。

移動時に履いていた足袋が濡れたり汚れたりしたら、目的地できれいな足袋に履き替えるのもマナーの一つです。
替え足袋を持ち歩いておくと安心です。

替え足袋や、脱いだ足袋カバーを入れる『足袋入れ』をバッグの中に用意しておくと重宝します。

洋服にも合わせたい!『足袋ソックス』

『足袋ソックス』は、靴下としてカジュアルな洋服に合わせることができる、足袋型のソックスです。
足袋のように指股が分かれているので、草履や下駄のように鼻緒のある履き物のときにも履くことができます。
もちろん、ごくカジュアルなものですので、着物に合わせる場合であっても、普段着の着物用として着用しましょう。

粋な演出に!『地下足袋』

最近、スニーカー感覚で気軽に履けるおしゃれな『地下足袋』に人気が集まっています。

足袋とはいっても、あくまでも外履き用です。
草履や下駄なしでこのまま外出できます。

木綿やウールなどのカジュアルな着物とコーディネートするのも楽しいものです。

足袋の洗濯・お手入れ方法

手洗いで洗う

足袋を長持ちさせるためには、着用後にきちんとお手入れすることが大切です。
ちょっと面倒に思えるかもしれませんが、手洗いすることで生地を傷めず、型崩れを防ぐことができます。
また、洗濯機よりも手洗いのほうが、汚れがきれいに落ちます。

1.足袋を脱いだら、たらいなどに30℃ぐらいのぬるま湯を張り、おしゃれ着用の洗剤を入れて、足袋を浸します。
こうすることで、汚れが浮き上がって落としやすくなります。

2.汚れがひどい場合には、固形石鹸を塗って、軽く揉み洗いしたり、ブラシで力を入れずにこすったりして落とします。

3.すすぎは、なんどか水を変えて念入りに行います。
すすぎが足りないと、黄ばみのもとになるので、しっかりすすぎましょう。

4.手でしごいて水を切ります。
ぎゅっとねじって絞ると、型崩れの恐れがあります。

洗濯機で洗う

1.洗濯機に入れる前に、手洗い同様、30℃ほどのぬるま湯に数分浸しておくと、汚れが浮きあがって落としやすくなります。

2.汚れがひどいときには、手洗いの場合と同様に、固形石鹸をつけてあらかじめ落としておきます。

3.洗濯機に入れる際には、洗濯ネットに入れましょう。
足袋にはコハゼが付いています。
コハゼは金具ですので、脱いだものを直接洗濯機に入れると、洗濯槽を傷つけてしまう可能性があります。
また、コハゼ自体が壊れてしまうことも考えられます。

4.おしゃれ着洗いモードや手洗いモードで洗います。
通常モードで洗うと、繊維が縮んだり、型崩れしたりするといった恐れがあります。

5.脱水はごく軽く、脱水が本回転になってから10秒ほどで引き上げます。
脱水しすぎると、型崩れの恐れがあります。
水が滴らない程度に脱水できていれば大丈夫です。

型崩れに気を付けて干そう

洗い上がったら、干す前のひと手間が大切です。
次も気持ちよく履けるかどうかは、この手間にかかっているといっても過言ではありません。

ポイントは、足袋は濡れているうちに、形を整えることです。
生地や縫い目は乾かすと縮んでしまいます。
底地をはじめとして、濡れているうちにしっかり伸ばしておきましょう。

1.まず、底地を横方向にしっかり伸ばします。

2.次に、底地を縦方向にしっかり伸ばします。
このとき、親指とかかとの部分を持ってしっかり伸ばしたら、底地の縫い目もしっかり伸ばしておきます。

3.甲の縫い目をしっかり伸ばします。

4.足首周りを伸ばします。

5.底地や表地のシワを手で叩いて伸ばします。

6.形を立体的に整えたら、コハゼを掛ける糸に洗濯ばさみを止めて、陰干しします。

陰干ししないと、黄ばむ恐れがありますので、干すときには必ず陰干ししてください。
乾燥機は急速に足袋が縮んでしまう可能性があるので、厳禁です。

アイロンの掛け方

干すときにしっかりと生地や縫い目を伸ばして干した足袋は、ほとんどシワなく仕上がっているはずです。

それでもどうしても気になるシワがあるときには、高温で素早くアイロンを当てます。

足袋におすすめの洗濯グッズ

足袋の汚れは、洗濯機よりも手洗いのほうがよく落ちます。
おすすめなのが、馬毛やサボテンなどの天然繊維からつくられたブラシと、固形石鹸『ウタマロ石鹸』です。

天然繊維のブラシは、コシがあるのに生地を傷めにくいという特徴があります。

『ウタマロ石鹸』は、頑固な汚れを落とすことに定評がある固形石鹸です。

サボテンのブラシと『ウタマロ石鹸』のセットも販売されています。

まとめ

足袋には非常に長い歴史がありますが、木綿の白足袋が庶民にまで行き渡るようになったのは、明治以降のことでした。

いまではカラフルでデザイン性の高い足袋や機能性の高い足袋も続々と発表されています。
冠婚葬祭やお稽古ごとなどは白足袋、という最低限のルールを守れば、普段使いのおしゃれの世界は無限大です。

足にあった足袋を選ぶこと、お手入れのひと手間をおろそかにしないことで、気持ちよく履き続けることができます。

これからの足袋とのつき合いが、いっそう快適で楽しいものになりますように。