30代におすすめの着物!結婚式や入学式、普段着などシーン別の解説や着物に合う髪型を紹介

30代におすすめの着物!結婚式や入学式、普段着などシーン別の解説や着物に合う髪型を紹介

友人の結婚式に出席したり、子どもの行事に付き添ったりと、多くの場面で着物を着る機会が多くなる30代。
しかし、いざ「せっかくだから着物を着ていきたい!」と思っても、「どんな着物を選べばいいのかわからない…」という方も多いのではないでしょうか?

他にも、

「20代の頃に着ていた着物では、色柄が年齢にそぐわなくなった気がする…」
「成人式で着ていた振袖はいつまで着れるの?」
「カジュアルに楽しみたいときの着物は何がいい?」

など、30代ならではの悩みが出てきますよね。

そこで今回は30代の女性におすすめの着物や、フォーマルからカジュアルまでシーン別に着物選びのポイントをご紹介します。

着物に合わせたメイクや髪型の合わせ方についても解説していますので、「30代の大人の女性として、自分らしい着物姿で周囲と差別化したい!」という方は、ぜひ参考にしてください!

30代の着物は華やかさと上品さを意識

まずはフォーマルシーンにふさわしい着物の選び方からご紹介します。

30代の着物選びでポイントになるのは、華やかでありながら落ち着きや上品さも感じられることです。20代は可愛らしく華やかなデザインを勧められることが多いですが、30代では、洗練された印象を与える落ち着いた色合いと上品なデザインが好まれる傾向にあります。

人によっては年齢とともに好みや似合う色が変わっていく方も多く、今まで好きで着ていた着物の色や柄に違和感を覚える方もいらっしゃいます。その場合は、全体で使う色の数を抑え、2〜3色までに色を限定して品のある印象を作りましょう。

もちろん、あくまであなた自身の「好き」や「ときめき」で選ぶのが基本です。洋服では「派手かな?」と思うような色や柄でも、着物なら一度袖を通してみると、思っていたより気にならないという場合も多々あります。迷った時は一度羽織ってみたり、顔に近づけてみたりして自分の着姿をイメージしてみてくださいね。

あなた自身が「着たい!」と思う着物こそが、あなたの魅力を引き出してくれるはずです。

ポイントは帯・小物の選び方

特に30代で意識したいのが、帯や小物の合わせ方です。20代に着用していた着物でも、合わせる帯や小物を変えるだけで、洗練された印象に変わることがあります。

帯は着姿の中でも目線が集まる部分です。20代の頃は華やかに感じられた色数の多い袋帯も、30代では派手に感じてしまい、気後れしてしまうことも少なくありません。
そんな時は、柔らかさのある色味の帯がおすすめです。主張しない色合わせが、上品さを醸し出してくれますよ。

また、帯揚げや帯締めなどの小物は、体積こそ小さいものの、差し色として活躍してくれる名わき役です。地味になりがちな着物スタイルに華やかさをプラスできる他、全体を引き締めたり、落ち着かせたりする役割も担ってくれます。

30代女性には、派手すぎない落ち着いた色味や、シンプルなデザインが相性抜群。柔らかな色合いでトーンを揃えると、上品で調和の取れた仕上がりになります。着物や帯に使用されている色を使うと失敗もありません。

着物と帯の色が同系色の場合は、反対色を用いた配色もおすすめです。着物と帯だけではぼんやりしてしまうコーディネートが、赤なら緑、青ならオレンジなどの反対色を入れることで、メリハリが生まれます。
コーディネート全体に華やかさとバランスが生まれ、30代女性にふさわしい落ち着きとおしゃれ感を演出できますよ。

30代におすすめの髪型

フォーマルなシーンで着物を着ていくのであれば、アップスタイルが基本です。特に結婚式への参列やパーティーへの参加などお呼ばれの場合は、ハーフアップもNGになります。「まとめ髪」できちんと感を出しましょう。

肩にかかる長さの髪の場合は、襟足やサイドをすっきりとまとめます。後頭部に丸みの出るスタイルは、ボリュームが出ておすすめです。ミディアムヘアやショートヘアの方も、おじぎや食事の際に髪の毛が落ちてこないように、部分ウィッグを活用したり編み込みにしたり、分け目をつけて耳にかけたりして、アレンジしてみてくださいね。

また、フォーマルな席では髪飾りの種類も気を付けたいポイント。
お呼ばれの場合、主役である新婦と被る生花や造花の大きな花飾りはNGです。花飾りをつける場合は小さめのシンプルなデザインを選びましょう。少し落ち着いたパールや小ぶりな花、べっ甲などで大人の女性を演出するのもおすすめです。

自分に似合うと思う髪型をするのが一番ですが、結婚式や式典などは「お呼ばれ」つまり招待される側。自分が主役だった成人式や卒業式とは立場が異なります。あくまでも式の主役を立てることを念頭に、髪型や髪飾りを選びましょう。

30代女性向け!着物に合うメイク

せっかく着物を着るなら、メイクも着物に合わせて変えたいですよね。着物は洋服よりも華やかな色柄が多いので、普段のメイクだと顔が着物に負けてしまいます。

30代の着物メイクでは「華やかだけど上品」がポイント。

着物のコーディネート同様、メイクも全体のバランスが大切ですが、ポイントメイクをしっかりめにするのがおすすめです。目指すのは「ナチュラルなんだけど上品さが感じられるメイク」。華やかな着物を着た時に似合うポイントメイクをご紹介します。

パーツ メイクのポイント
ベースメイク ・透明感のある肌
・立体感を抑える
アイブロウ ・しっかりめ
・くっきりはっきりと描く
アイメイク ・色は着物に合わせて選ぶのがおすすめ
・立体感は控えめだけど、しっかりと
チーク ・自然な血色感を出す
・立体感を演出
・控えめが基本
リップ ・深みのああるカラーで大人っぽさを
・しっかりとした存在感を

ベースメイクは透明感と平面的がポイント

ベースメイクは、透明感のある肌で立体感を抑えるのがおすすめです。保湿ケアをしっかりと行った後、マットがセミマットで仕上げましょう。

ストンとしたシルエットの着物に合わせ、メイクも立体的ではなく日本人らしい少し平面的な感じに仕上げた方が、全体に統一感が生まれます。シェーディングやハイライトは控えめにして、リップやアイメイクでメリハリを付けましょう。

また、年齢とともにくすみやシミなどが気になってくるのが30代です。日頃のスキンケアやトーンアップ下地などの活用で悩みを軽減させましょう。

アイブロウはくっきりはっきりと

眉はしっかりと描いて、気品や凜とした意志の強さを演出しましょう。特に30代の大人女子には、エレガントな印象のアーチ眉がおすすめです。自然な毛流れに沿って、全体的に毛を生やすように描いて色味をのせると、ナチュラルな仕上がりになります。

アイメイクは着物の色に合わせて選ぶと〇

アイメイクのポイントは濃くなりすぎず、派手にならないことです。
色柄がにぎやかな着物の場合、アイシャドウでたくさん色を入れてしまうと、うるさく感じてしまいます。着物の色に合わせて選ぶと、着物姿全体に統一感が生まれて洗練された印象になるのでおすすめです。

目元はアイラインやマスカラで目元をくっきりと。アイラインは普段より少し目尻からはみ出させるように書くと、大人の女性独特の色っぽい雰囲気になります。

ただ、全体のバランスを見て、アイシャドウもアイラインも濃くなりすぎないように気をつけてください。目元だけを見るのではなく、顔全体を見ながらメイクをするとバランスが取れますよ。

リップメイクはツヤと明るさをプラス

リップメイクは明るくはっきりとした色味で、普段よりもくっきりとしたリップメイクを意識しましょう。華やかな色柄とバランスが釣り合わず、メイクをしているのにどこか地味な印象になってしまうためです。

30代でおすすめの色は、ほんのりツヤのある赤。赤リップには美肌効果があり、ボルドーや青みを帯びた赤など、落ち着いた色味を唇に乗せることで透明感のある肌が手に入ります。

指で輪郭を軽くぼかして肌になじませると、印象がさらに柔らかくなり、儚さや色っぽさも加わるので、色味が強く出て苦手と感じる方は一度試してみてくださいね。

30代に合わせた着物の色柄選び

30代が色柄で着物を選ぶ際のポイントは、品のある落ち着いた色味やデザインの着物を選ぶことです。ベージュや淡いグレー、深い緑、藍色などのシックな色味が、落ち着きと品を感じさせます。

ただ、30代は、前半と後半で似合う着物が変わってきます。特に着物を購入する場合は、40代・50代を見据えて長く着用できる色柄を選ぶ方が多く、無難な着物では地味な印象になりすぎることもあるため、注意が必要です。
無地ならば派手になりすぎない柔らかなニュアンスカラーを選んだり、無地よりも小さめで控えめな柄がある方を選んだりすると、30代の雰囲気にしっくりきますよ。

TPOを守りつつ、あなた自身に合った着物を選ぶための3つのポイントをご紹介します。

パーソナルカラーから選ぶ

パーソナルカラーは、自分の肌や髪の色、目の色に合わせて最も似合う色を見つけるための手法です。洋服選びやメイクの参考にすることが多いですが、もちろん着物を選ぶときにも役立ちます。

柄があり、カラフルなものが多い着物は、メインになっている色や、たくさん使われている色を参考に選びましょう。

ただ、ヘアカラーやカラーコンタクト、メイクなどでも印象は変わってきます。同じ色味でもニュアンスが微妙に異なるだけで、顔が暗い印象になったり、肌の見え方が悪くなったりすることもあるので、必ず一度は自分に合わせて肌色や顔の印象を確認してくださいね。

イエローベースの方には暖色を

パーソナルカラーがイエローベース寄りの方におすすめなのは、暖色を基調とした着物です。

中でもイエベ春タイプの方は、くすみのない、クリアで明るいカラーを選びましょう。コーラル系のピンクやイエローなどの、春に咲く花のような明るいイメージの色の着物が似合いますよ。

イエベ秋タイプの方は、くすみカラーの赤やオレンジ、ブラウンなどがおすすめです。秋の紅葉や熟した果実を思わせる落ち着いたカラーや、こっくりとした濃い色が似合います。暗めの色でも地味にならず、シックで華やかな印象を与えますよ。

以下の表にイエベ春と、イエベ秋の似合う色をまとめました。暖色系以外にもグリーン系も入っていますので、ぜひ好みに合わせて試してみてください。

パーソナルカラー 似合う色
イエベ春 ・ピンク系(明るいピンク、サーモンピンク)
・イエロー系(明るいイエロー、レモンイエロー)
・オレンジ系(パーチ、コーラル、マンゴー)
・グリーン系(新緑のような明るい緑、ミントグリーン)
・ブラウン系(明るいブラウン、キャメル)
イエベ秋 ・イエロー系(マスタードや温かみのあるイエロー)
・オレンジ系(パーチ、コーラル、ダークオレンジ)
・レッド系(ブラウンレッド、マルーン)
・ブラウン系(チョコレートブラウン、キャラメル、ベージュ)
・グリーン系(オリーブ、カーキ、フォレストグリーン)

ブルーベースの方には寒色を

パーソナルカラーがブルーベース寄りの方におすすめなのは、寒色を基調とした着物です。

中でもブルべ夏タイプの方は、明る過ぎない色合いの着物を選びましょう。特におすすめなのが透明感のあるブルー。他にも初夏の紫陽花を思わせる優しい色や、梅雨空のようなスモーキーな色がよく似合います。

ブルべ冬タイプの方には、鮮やかでメリハリのある色合いの着物がおすすめです。黒や紺色などクールな色味や、寒色系のビビッドカラー、冬景色を思わせる色がよく似合います。

以下の表にブルべ夏とブルべ冬の似合う色をまとめました。寒色系が似合うと言っても、ピンクや赤系で似合う色もありますので、ぜひ参考にしてください。

パーソナルカラー 似合う色
ブルべ夏 ・ブルー系(パステルブルー、スカイブルー、アクア)
・パープル系(ラベンダー、ミスティックパープル、ライラック)
・ピンク系(グレイッシュなピンク、くすみピンク)
・グリーン系(ミントグリーン、ペールグリーン)
・グレー系(ライトグレー、シルバー、モクグレー)
ブルべ冬 ・ブルー系(ネイビー、ロイヤルブルー、アイスブルー)
・グレー系(チャコールグレー、シルバー、スチールグレー)
・パープル系(ロイヤルパープル、ディープパープル、プラム)
・ピンク系(ミディアムピンク、ローズピンク、マゼンタピンク)
・レッド系(ワインレッド)
・ブラック系(深みのあるブラックやブラックネイビー)

季節に合わせた色・柄を選ぶ

好みの色やパーソナルカラーだけではなく、日本の四季に合わせて着物を楽しみたいですよね。着物を着る時期が決まっているのであれば、その季節に合わせた色柄を意識するのもおすすめです。

季節に合わせた色や柄を以下の表にまとめましたので、ぜひ参考にしてください。

季節
・花をイメージさせるような明るいパステルカラー
・春を思わせるようなピンクや空色
・桜の時期が終わったら、若草色や藤色などのやや落ち着いた色味
・桜文様(桜が咲き始める少し早い時期まで)、桜とともに他の季節の花も描かれた吉祥文様のもの
・芽吹き・桃・桜・牡丹・菖蒲・蝶など
・見ているだけで涼やかな気持ちになれる色
・モノトーンや薄い色、寒色系
・紫陽花や朝顔、金魚などの夏をモチーフにした柄
・季節を先取りした蜻蛉や桔梗、撫子など
・涼やかに見せるために氷割れや雪輪などの冬らしい文様を取り入れることも
・秋の景色を思わせるようなこっくりとした濃い色 ・紅葉やすすき、月見
・木の実やきのこ
※月の描かれた帯に、ウサギの帯留めを使るなど、物語性のあるコーディネートも秋の楽しみ
・暖かさを感じる暖色系か黒に近い濃い色
・クリスマスや年末年始など華やかな雰囲気に合わせて賑やかな色合いも好まれる
・椿や南天、年明け以降は梅の花
・松や雪の結晶
・近年は、クリスマスツリーや、チョコレート柄など、モダンな柄も

TPO・雰囲気に合わせて選ぶ

30代は人によってライフスタイルが異なってくる年齢。未婚や既婚で変わるのは20代と同じですが、未婚の礼装である振袖を着るのは躊躇ってしまったりと、決められたTPOだけでは決められず悩む機会が増える時期です。

着ていく着物に悩んだら、事前に着物を着ていく会場の雰囲気や、他の参加者の顔ぶれを確認しておきましょう。

例えば、既婚であっても当日黒留袖の着用率が高いようなら、色留袖を着用し会場に華やかさを添えるのもおすすめです。TPOや着物の決まりだけにとらわれず、雰囲気や周囲に合わせて柔軟に選んでくださいね。

30代の結婚式におすすめの着物

結婚式への参列では、一般的な色柄の選び方以外にもある程度のマナーが求められます。
そのため、基本的には、TPOに基づいたきちんとしたコーディネートでの参列がおすすめです。

特に、主役である花嫁が身に着ける白、さらに赤や黒もNGとされています。さらに、極端に華美になりすぎないこと、ウールや紬などのカジュアルな着物を選ばないことを守れば、ある程度自由な着物や帯を選んで問題ありません。
最も大切なのは、主役である新郎新婦をお祝いする気持ちを持って、会場の雰囲気に合わせた装いをすることです。

ただし、近年は親しい友人同士だけで小規模のパーティーを開催したり、カジュアルな結婚式を挙げるケースも増えてきました。結婚式や披露宴では好まれる訪問着も、会場や規模によっては浮いてしまうことも…。

今回は、上記の最低限のマナー以外に、シチュエーションや立場別におすすめの着物をご紹介します。

主催者・親戚側の場合

一般的に、参列者は主催者側よりワンランク下の着物を着用することがマナーです。そのため、新郎新婦の家族、親戚など主催者側として参列する場合は、第一礼装の着物を着て、ゲストと格が並ばないよう配慮する必要があります。

新婦の衣裳は白無垢や色打掛、新郎新婦の母親や既婚の親族であれば黒留袖、親ではない既婚女性の場合は色留袖が最高ランクの礼装です。

また、新郎新婦の姉妹であれば第一礼装がふさわしいですが、いとこやはとこなどの場合は必ずしも振袖や色留袖でなければいけないわけではありません。少しランクを下げて、訪問着を着用することも可能です。

ただし、親族として着物を着る場合は、格式と品位を考慮した装いが求められます。いずれの着物を着る場合でも、30代の大人の女性として、上品で落ち着いた装いを心がけましょう。

振袖

未婚の場合、第一礼装である振袖がおすすめです。新郎新婦の姉妹、いとこなどの親戚、叔母の立場で着用できます。ただし、袴やブーツなどでアレンジするのではなく、きちんとした正統派の着付けに草履を合わせて参列しましょう。

もし20代に着用した振袖が華やかすぎて気が惹けてしまう場合は、帯や小物、ヘアスタイルを変えることで落ち着いた雰囲気に変えることもできます。

写真のようなシックな緑や紺色、黒色などのシックな色合いで、柄の数が少ない振袖なら、30代らしい落ち着きと上品さも醸し出されるのでおすすめです。その場合も小物やヘアスタイルを工夫して、華美になりすぎないようにまとめましょう。

未婚であれば、会場を華やかにしてくれる振袖がおすすめですが、特に30代で気になるのは「振袖をいつまで着ていいのか」ではないでしょうか。振袖を着用する年齢に制限はありませんが、実際には30歳を境に着ない人が多いのも事実です。もし振袖を着ることに抵抗を感じているのであれば、未婚・既婚問わず着られる色留袖を着用しましょう。

▼振袖についてさらに詳しく知りたい場合は、こちらもあわせてご覧ください。

留袖

色留袖は未婚・既婚を問わずに着られる第一礼装です。
振袖を着るのに抵抗がある方はもちろん、叔母の立場で参列する場合は色留袖がよいでしょう。振袖や黒留袖を着用する参列者が多くなりそうなシーンにも、会場を華やかに彩るおすすめの着物です。

新郎新婦の母親でない方も既婚であれば、黒留袖も着用できます。年齢に合わせ、華やかなものを選びましょう。帯も金彩や刺繍で彩られたものがおすすめです。

▼黒留袖の選び方や帯の合わせ方など、詳しく知りたい方はこちらの記事もあわせてご覧ください。

招待客・ゲスト側の場合

結婚式にお呼ばれする際の着物は、セミフォーマル(準礼装)やインフォーマル(略礼装)の装いが基本になります。近年多くなったカフェやレストランでのカジュアルなパーティースタイルの場合は格も下げたほうがよいですが、一般的な結婚式では、「振袖」と「訪問着・付け下げ」が中心です。

特に友人として結婚式にお呼ばれする際は、華やかで明るいスタイルが求められます。30代女性は、華やかさと大人の落ち着きを兼ね備えたスタイルを意識しましょう。

ただ、留袖や五つ紋が入っている着物を着ると格が高くなってしまい、マナー違反になるケースもあるので注意してくださいね。

▼紋の数による格の違いについては、こちらの記事で詳しく解説しています。

振袖

主催者側の場合と同じく、ゲスト側でも未婚の場合は振袖がおすすめです。会場を華やかに彩ってくれます。

ただ、主役である花嫁よりも華美な装いになっているのはマナー違反です。新郎新婦の門出をお祝いする気持ちを忘れずに、自分の立場やマナーに合った着物を選びましょう。

もちろん、未婚であれば絶対に振袖でなければならないという決まりはありません。もし振袖を着ることに抵抗を感じているのであれば、未婚・既婚問わず着られる訪問着や付け下げを着用してくださいね。

訪問着・付け下げ

結婚式で振袖以外の着物を着る場合は、華やかさと汎用性を兼ね備えた訪問着か付け下げがおすすめです。既婚・未婚問わず着用できる女性のフォーマルな着物で、落ち着いた色合いと上品な柄なので、会場も一気に華やぎます。

色柄によっては何歳になっても着ることができるのも嬉しいポイント。一枚持っていると式典やパーティーなどに着ていけます。

訪問着と付け下げの明確な違いは、縫い目を越えて柄がつながっているかどうか。また、付け下げのほうが柄が落ち着いていることが多く、訪問着のほうが華やかというイメージがあります。

結婚式に合わせてレンタルするのであれば、華やかな色や柄の着物を選びましょう。もし、購入するのであれば、今後も長く着られるように、帯で調整できるような控えめの柄がコーディネートしやすくておすすめです。格は大きく変わらないので、長く着るためにも好みに合う一枚と選びましょう。

30代ママ向け!入学式・卒業式・七五三の着物

子どもが主役の行事にも、着物は活躍します。子どもにとっても節目となる入学式や卒業式に着物姿で参加すれば、写真にも残るので家族のよい思い出になりますよ。

ただし、あくまでも子どもが主役ということを忘れずに。季節ごとに合った装いでマナーを守った着こなしを意識し、会場の雰囲気やマナーにも配慮しましょう。
奇抜すぎる装いや色柄よりも、正統派ではんなりとした雰囲気のほうがTPOに合わせやすいはずです。

訪問着

古典柄で淡い色の上品な訪問着は、お母さんらしさもありつつ、年相応の華やかさも演出できます。入学式や卒業式は春に行われる行事なので、桜などの春らしい柄や色を選んだり、吉祥紋様などお祝いの席に向いた柄がおすすめです。

秋の行事である七五三などには、シックな印象の濃い色の訪問着が向いています。

もし華やかすぎて周囲から浮かないか気になる場合は、黒の羽織や、白や生成りのレース羽織もおすすめです。日によって気温が大きく変わる春先や秋に、体温調整にも一役買ってくれますよ。

付け下げ

訪問着に比べて柄の割合が少ない付け下げ。訪問着だと華やかすぎて、一歩引いた控えめな装いがしたいという方にぴったりです。

近年では訪問着と付け下げの違いが明確に分からない着物もあります。その場合は、柄の割合が少ないものを選びましょう。

付け下げも吉祥文様や花文様などがありますが、控えめな中にも華やかさがにじむデザインのものを選ぶと、上品さが演出できて着物を着る楽しさが増しますよ。

色無地

訪問着や付け下げ以上に着回しがきき、コスパのいい着物が色無地です。無地の着物なので、合わせる帯次第でさまざまなシーンに活躍してくれます。

お子様の行事では袋帯を締めて、フォーマルに装いましょう。帯を変えれば、他の式典やパーティー、遊び着にも使えます。
お子さまが小さく正絹では汚した時が怖い…という方には、ご自宅で洗濯できる化繊の色無地もおすすめです。

色無地は紋の有無によって格が変わりますが、近年は紋なしで仕立て、帯次第で格を変える着方が主流になってきています。柄がとても細かい江戸小紋の中には、色無地として着ることのできるものもあるため、あまり難しく考えず、好みのものを選んでくださいね。

▼色無地のコーディネートや紋による格の違いについて詳しく知りたい方は、こちらの記事もあわせてご覧ください。

30代のよそいきにおすすめ!フォーマル着物

着物を着る機会は、ここまでご紹介した結婚式や子どもの行事だけではありません。
会社関係のパーティーや、お付き合いしている人の実家へのご挨拶など、着物が活躍する機会はたくさんあります。

ここからは、「よそいき」におすすめの着物を、着用シーンとともにご紹介します。

付け下げ

華やかながらも控えめに、すっきりと装いたいシーンにおすすめなのが付け下げです。親族との顔合わせや挨拶まわり、同窓会や食事会などにも活躍してくれます。結婚式の二次会やお披露目パーティーなど、礼装や準礼装ほどまで求められない場シーンにもぴったり。

ただ、結婚式や入学式、卒業式などで着用するような縁起の良い文様の付け下げに、金糸銀糸の入った袋帯を合わせると、格が高くなってしまいます。パーティーなどの華やかな席では礼装袋帯や洒落袋帯を、挨拶まわりや食事会など控えめな場には、着物に合わせシンプルな帯を合わせるとよいでしょう。

着用シーンに応じて帯や小物を変えれば幅広いコーディネートができるため、自由度の高いおしゃれを楽しみたい方におすすめです。

色無地

会社関係のパーティーや企業主催のレセプションなど、ドレッシーなスーツやジャケットで決めたいような場には色無地がおすすめです。スーツのように万能に着こなせるため、カッチリとした雰囲気のあるシーンに向いています。色無地は上品な印象を与えてくれるため、お付き合いしている方の実家へのご挨拶にもぴったりな着物です。

フォーマルよりなシーンには重厚な袋帯を、カジュアルよりなシーンには染めの名古屋帯や紬地の帯を合わせると、それぞれ雰囲気にあったコーディネートが楽しめます。

柄の入っていない色無地は、色選びが特に大切です。顔映りがよく、あなたの心がときめくものを選んでくださいね。

飛び柄の小紋

フォーマルな着物では固すぎるし、カジュアルすぎるのも気が引ける…そんな場合は、飛び柄の小紋がおすすめです。

小紋はカジュアル着物に分類されますが、飛び柄の小紋は一見すると訪問着か付け下げに近いような雰囲気があり、少し上品な普段着として活用できます。洋服でいえばワンピースか、スーツに近いちょっときれいめの服装のイメージ。袋帯を合わせてセミフォーマルにすれば、子どもの入学式や卒業式などにも着用できます。

はっきりとしたドレスコードが決まっていない、レストランやホテルでの食事会にも活躍してくれる着物です。

30代の着物初心者さんの普段着におすすめ!カジュアル着物

着物を着る機会というと、式典などのきっちりとしたシーンをイメージする方も多いかもしれません。しかし、近年では気軽に街着として着物を着たい方も増えています。

街中で見かける着物姿の女性のように、私も颯爽と着物で街を歩きたい!という初心者さん向けに、おすすめのカジュアル着物を紹介します。

小紋

一般的に小紋は、カジュアルな着物として販売されている柄のある染の着物です。絹だけでなく化繊やウールなどの着物も、柄付けを見ると小紋に分類されます。

定義の幅がとても広い小紋は、セミフォーマルで使える「飛び柄」もあれば、完全にカジュアル向きに作られている更紗などの柄もあります。どこまで使えるか迷った場合は、カジュアル着物として考えましょう。

特に正絹の小紋は、着心地がしっとりとしていて肌に馴染むことから、「たれもの」の着物とも呼ばれています。
ただ、たれものの着物は着付けが少し難しいのが特徴です。なめらかでさらっとした質感のため、紐や帯がするりと滑ってしまい、着慣れていないと固定が難しいと言われています。

そのため、着付け初心者さんであればひとまず着心地よりも、着付けがしやすいパリッとした化繊の小紋を選んでもいいでしょう。

食事会などのセミフォーマルなシーンにも着用できる小紋とは異なり、完全にカジュアルな着物に分類されるのが紬です。友人とのお出かけ、パーティー、お稽古など、プライベートでの着用が中心になります。

「先染め」と呼ばれる、あらかじめ染めておいた糸を使い、織りで美しい紋様を表現しているのが特徴です。小紋に使用される生糸とは異なり、蚕の繭から紡いだ「紬糸」と呼ばれる糸を使って織られています。

織りの着物の代表格と言われ、普段着からおしゃれ着まで着回しやすく、日常生活で使う着物としてはもっともおすすめの着物です。近年は、30代にもぴったりな華やかな色合いの着物も増えています。

パリッとした風合いがあり、着付けがしやすいのも、着物初心者さんには嬉しいポイント。着心地も良く、素朴な風合いの中に見える粋な雰囲気がおしゃれな着物なので、ワンランク上のカジュアル着物から始めたい方におすすめです。

▼紬の特徴や着用シーンについて詳しく知りたい方は、こちらの記事もあわせてご覧ください。

木綿

生絹の小紋や紬より予算を抑えつつ、着やすさと素朴さを兼ね備えているカジュアルな着物が木綿です。手触りもよく自宅で洗濯もできるので、初めて自分サイズに誂えるのであれば木綿をおすすめします。

以前は木綿といえば縞や格子、絣などの決まったデザインで、渋い色合いの着物が主流でしたが、近年は明るい色やポップなデザインなども増え、おしゃれの幅が楽しめるようになりました。日本には8世紀末に伝わったとされ、長い歴史の中で各産地によって色使いやデザインに特徴があるため、選ぶ楽しみがあります。

近年目にすることの多くなったデニム着物も木綿の一種です。縫製にこだわり、落ち着いたインディゴカラーの着物は、30代女性にふさわしい上品さをさらに引き立ててくれます。

カジュアル着物にもこだわりたい方におすすめの着物です。

ウール

実家の箪笥に眠っていることが多いのがウールの着物です。昭和の時代に大流行したこともあり、おばあちゃんやお母さんがお持ちという方も多いのではないでしょうか?

着物と羽織のアンサンブルとして作られることが多く、現代でも基本的に木綿と同じようにカジュアル着物として着用が可能です。しかし、近年では羽織の丈が長くなっているため、そのまま少し時代遅れに感じてしまう可能性もあります。その場合は、現代の羽織や今風の帯を選べば、現代的なコーディネートにできますよ。

古着の中にもポップでレトロ可愛い色柄のウール着物もありますし、原色に近い色に抵抗のある場合は今風のウール着物もあります。たくさんの種類の中から、自分好みの着物を選んでくださいね。

▼ウールの着物について詳しく知りたい方は、ぜひこちらの記事もご覧ください。

まとめ

30代の着物選びでポイントになるのは「華やかさ」と「上品さ」です。
大きな柄ではなく少し小ぶりな花柄を選んだり、ビビットな色よりも柔らかさや渋さのある色を選んだりと、華やかさの中にある落ち着いた大人の上品さを意識してみましょう。

また、着物は20代に着ていたものであっても、帯や小物を変えることで全く異なる印象を作り出せるのが着物の醍醐味です。

特に30代ではこれまで似合ってきた色や服が似合わなくなる方もいれば、いくつになっても変わらないという方もいます。個性が際立つ時期でもあるため、人によって着物の向き合い方はさまざまです。

着物選びで最も大切なのは、あなたが今何を着たいのか、何が似合うのか。TPOさえ守っていれば自分の好みの着物を優先してしまって構いません。

この記事でご紹介した選び方やおすすめを参考に、あなたの心が「ときめく」着物選びをしてみてくださいね。