20代におすすめの着物!結婚式や入学式、普段着などシーン別の解説や着物に合う髪型を紹介

20代におすすめの着物!結婚式や入学式、普段着などシーン別の解説や着物に合う髪型を紹介

「着物を着てみたい!」と思ったときに、着物初心者さんがぶつかりがちな壁として、「何を着たらいいかわからない…」という悩みがあるかと思います。

着物といえば、日本の古き良き伝統を受け継ぐ和の衣裳。
着ていく場面にふさわしい着物や、自分の年齢やタイプに合った着物選びをしなければと思うと、ハードルが高く感じてしまうかもしれません。

この記事では、そんなお悩みを解決するために、20代の女性におすすめの着物やシチュエーション別の着物選び、メイクや髪型の合わせ方についても解説していきます!

フォーマルからカジュアルまで、一度着物に挑戦してみたいという気持ちのある方はぜひ参考にしてみてくださいね。

20代のお呼ばれには華やかな着物がおすすめ

まずは、フォーマルシーンにふさわしい着物の選び方について解説していきます。

パーティーや式典など、華やかなお祝いの場へのお呼ばれであれば、やはり若々しさを感じさせる華やかな着物が喜ばれます。
もちろん、自分自身に似合うと思う色柄を選ぶのが一番ではありますが、あまりに地味なコーディネートや枯れたような色ばかりの組み合わせでは、かえって失礼にあたることも。

お呼ばれの席では特に、その場を盛り上げるような意識で着物を選ぶと良いでしょう。

華やかで可愛らしい着物を堪能しよう

20代で着物を着る場合、周囲からもピンク色の着物や大ぶりな花柄の着物など、可愛らしく華やかなデザインを勧められることが多いかと思います。

「今しか着られないから」という声をよく聞かれるかもしれませんが、まさにその通り。
肌も髪も若々しい、20代の頃が一番似合う着物というのは確実に存在します。
逆に言えば、30代、40代、50代以降に似合う着物もそれぞれ必ずあるので、今の自分の年代に合った着物を楽しみつくすのが得策です。

人生で何度も訪れないようなお呼ばれの機会を活かして、華やかな着物で会場をぐっと華やかに彩ると、後々になっても印象に残るいい思い出になります。

また、“可愛らしく華やか”というのはあくまで一例であり、モードなデザインの着物やシンプルな着物ももちろん似合うはずです。

せっかくのフォーマルシーンであれば、普段は選ばないような大胆なデザインにチャレンジするのも刺激的で楽しそうですね。

お呼ばれでは「まとめ髪」できちんと感を出そう

髪型については、お呼ばれの席か、そうでないかでシーン別の配慮が必要です。

成人式や卒業式など、ご自身が主役となる場面ではダウンスタイルなどの個性的なヘアスタイルももちろんOKです。着物にふさわしくないヘアスタイルというものは特にないので、自分の好みや世界観を反映したスタイリングを行いましょう。

ただし、お呼ばれの場ではあくまで主役は他の方になります。
結婚式への参列の場合、主役は新郎新婦なので、きちんと感の出る「まとめ髪」が基本になります。
着物の場合は、ハーフアップもNGとなるので注意しましょう。

肩にかかる長さの髪はしっかりとまとめて、ギリギリ結べるくらいの長さの場合は部分ウィッグなどを活用し、清潔感のある髪型を心がけることが大切です。
ただし、洋服なら似合うタイトな一つ結びなどは、着物の場合はアンバランスに見えがち。後頭部に丸みの出るアップスタイルでボリューム感を出しつつ、派手になりすぎないようにするとちょうどいいスタイリングになります。
ショートヘアの場合は、きちんと分け目をつけて耳にかけたり、一部分に編み込みをしたりするといいですね。

また、髪飾りの選び方も気をつけたいポイントの一つ。大ぶりな花飾りは花嫁衣裳と被るため、NGになります。花飾りをつけたいという場合は、シンプルで小さめのデザインを選びぶようにしましょう。
着物に合わせるならば、つまみ細工や組み紐を使用したヘアアクセサリー、コームやべっ甲のかんざしなど、和の要素を感じさせる髪飾りがおすすめです。

着物に合うメイクのポイント

ベースメイク

20代のベースメイクでは、セミマットな肌を目指しましょう。
特に結婚式会場など、自然光が入らない屋内ではツヤっぽい肌よりもマットな肌のほうが綺麗に見えます。
ただし、20代ではまだ皮脂分泌も盛んな場合が多いため、無理やりマットな肌を作るよりは、少しだけツヤのあるセミマットな肌を目指すほうがいいでしょう。

下地とリキッドファンデーションを塗ったら、余分な油分を取るためにきちんとティッシュオフすることをおすすめします。
その後、ルースパウダーやパウダーファンデーションでテカリを抑えるように仕上げましょう。

クマやニキビあとはつい隠したくなると思いますが、目尻やほうれい線まわりなどにコンシーラーを厚塗りすると崩れやすくなるので、シワが寄りやすい部分は薄塗りを心がけるようにしましょう。

また、着物の襟まわりは化粧品汚れが付きやすいので、首にファンデーションや日焼け止めを塗る場合は注意が必要です。

アイメイク

着物に似合うアイメイクは、ラインを活かしたアイライナー中心のメイクです。
色や柄がにぎやかになりやすい着物の場合、アイシャドウなどでたくさん色を入れるとうるさくなりがちです。

アイラインやマスカラで目元をくっきりさせるメイクがおすすめ。
ナチュラルに見えるつけまつげなども、目力をアップさせる助けになります。

リップメイク

和服を着る際にメイク全体が控えめだと、地味すぎる印象になったり、華やかな色柄とバランスが釣り合わなくなったりしてしまいます。
フォーマルシーンでは、普段よりも色味のくっきりとしたリップを塗るといいでしょう。

特に成人の前撮りなど、写真撮影をする場合は顔まわりの白飛びを防ぐため、リップでしっかりと色味のコントラストをつけることが推奨されています。

テカリが目立つグロスなどは避け、マット寄りのリップを塗ると着物との相性もばっちりです。

20代に合わせた着物の色柄選び

一般論として、20代の着物選びでは華やかな色柄がおすすめであるとされています。

ただし、もちろんのこと人には似合う色・似合わない色があり、好みの柄行も人によってさまざまです。
おでかけ先のTPOを守りつつ、自分に似合う着物を選ぶためには、以下のポイントを意識するといいでしょう。

パーソナルカラーから選ぶ

近年話題となっているパーソナルカラー診断。
ネットでのWeb診断などを利用したことのある方も多いのではないでしょうか?

着物はコーディネート全体を占める面積の割合が大きいため、色選びは特に重要です。
多色使いの着物や柄がにぎやかな着物も多いので、メインで使われている色や目立つ色、顔まわりに来る色味を参考に選びましょう。
フォーマルシーンの場合は半襟が白限定なことも多いので、伊達襟などで色味を調整するのもおすすめです。

イエベ春さんにおすすめの着物

イエベ春の方に似合うのは、春に咲く花のような明るいイメージの色です。
くすみのない、クリアで明るいカラーを選びましょう。

コーラルピンクやローズピンク、イエロー、新緑のようなフレッシュなグリーンやブルーが特に似合います。

ブルべ夏さんにおすすめの着物

ブルべ夏の方は、淡くソフトなカラーが似合う傾向にあります。
ニュアンスカラーの中でも、濃い色より白ベースの色を選ぶと特に似合いやすいです。

青みのあるグレーやミントグリーン、ラベンダー色、グレイッシュなピンクや鮮やかな青みピンクといったカラーを選びましょう。

イエベ秋さんにおすすめの着物

イエベ秋の方は、春とはまた異なり、くすみ系のカラーやこっくりと濃い色が似合います。
紅葉の風景をイメージしたような、落ち着いた色味を選ぶようにしましょう。

ボルドーやマスタードイエロー、赤みのあるブラウン、抹茶色やダークオレンジなどがぴったりです。

ブルべ冬さんにおすすめの着物

ブルべ冬の方は、くっきりとコントラストの強い色がより似合います。

ロイヤルパープル、マゼンタピンク、ワインレッドといった鮮やかな色か、黒やネイビーなどのクールで濃い色、あるいはシルバーグレー、チャコールグレーといった冬景色を思わせる色を選びましょう。

また、実際のパーソナルカラーは明確に四分割できるものではなく、「イエベ春の要素もあるイエベ秋」といった分類になることが多いです。
セルフ診断だけで判断するのではなく、着物を実際に羽織ってみて顔映りを見ておくと安心ですね。

そして、必ずしもパーソナルカラー的に似合う色が好きな色、着たい色と一致するとは限らないもの。
髪色やカラーコンタクト、メイクといった要素で似合う色は変わってくるので、どうしても着たい着物の色がある場合は、全体のスタイリングで自分に似合うように寄せていくという手もあります。

季節に合わせた色・柄を選ぶ

パーソナルカラー別に似合う色を選ぶとはいっても、着物での装いは季節感も大切にしたいものです。

春は、寒い冬が明けて花のつぼみがほころび始める様子をイメージして、明るい色ややわらかなパステルカラーを選びましょう。
桜が満開に咲く頃には、桜文様は選ばないのがベターです。桜文様の着物は、桜が咲き始める少し早い時期に着用するか、他の季節の花も描かれた吉祥文様のものを着るようにしましょう。
桜の時期が過ぎる頃は、若草色や藤色など、やや落ち着いた色味を取り入れるのがおすすめです。

夏着物は、見ているだけで涼やかな気持ちになれる色柄が最適です。
モノトーンや薄い色、寒色系の着物に、紫陽花や朝顔、金魚といったいかにも夏らしいモチーフの柄行が合います。
また、季節を少し先取りした蜻蛉や桔梗、撫子などのモチーフも夏の装いとしてふさわしいものです。より涼やかに見せる効果として、氷割れや雪輪などの冬らしい文様を取り入れることもあります。

夏から一転、こっくりと濃い色の着物を選ぶとすっかり秋らしくなります。
紅葉や月見といった柄はもちろん、木の実やきのこも秋を感じさせるモチーフです。
すすき柄の着物に月の帯を合わせたり、木の実文様の帯に小鳥の帯留を合わせたりと、物語性のあるコーディネートも秋の雰囲気によく似合います。

クリスマスやお正月、バレンタインといったイベントが多い冬の季節は、華やかな装いが似合います。イルミネーションをイメージしたにぎやかな色味や、おめでたい雰囲気の出る柄行を選びましょう。椿や南天、年明け以降は梅の花も冬にふさわしいモチーフです。
よりシックに装いたい場合は、暖色系か黒に近い濃い色に、枯山水や菊などの柄を合わせましょう。

TPO・雰囲気に合わせて選ぶ

20代の着物選びは、未婚・既婚で着るべきものが変わったり、どの程度の礼装を着るべきか悩むことが多いかと思います。
基本的に未婚であれば、フォーマルシーンでは振袖を着用するとされていますが、必ずしも振袖でなければならないというわけでもありません。
成人式や卒業式、華やかなパーティー以外の場であれば、色無地や訪問着を着るほうがTPOにマッチすることもあります。

また、結婚式では会場の雰囲気や参列者の顔ぶれ、着物の着用率などを参考にするといいでしょう。
例えば、自分が既婚者かつ、新郎新婦の姉妹や親戚である場合でも、親戚内で黒留袖の着用率が高いと、20代で黒留袖を着ると浮いて見えてしまう可能性があります。
その場合はご自身の若々しさを活かして、やわらかな色味の色留袖を着用してもいいですね。

20代の結婚式におすすめの着物

結婚式への参列では、一般的な色柄の選び方以外にもある程度のマナーが求められます。
20代で初めて結婚式へ参列する、あるいは着物での参列をしたことがないという方は、ぜひこの記事を参考にしていただければと思います。

基本的には、TPOに基づいたきちんと感のあるコーディネートがおすすめではありますが、近年ではカジュアルな結婚式も増えてきたため、昔ながらの作法を必ず守らねばならない、という風潮も薄れてきました。

一番大切なのは、新郎新婦への思いやりと、他の参列者の方とのバランスを考えること。

極端に華美になりすぎないこと、花嫁衣裳の白と被らない色を選ぶこと、洋服でいうデニムに相当するようなカジュアルすぎる素材(ウールなど)を選ばないことさえ意識すれば、あとはある程度自由にコーディネートすることが可能です。

ここでは、上記の最低限のマナー以外に、シチュエーション別のおすすめの着物選びについてご紹介していきます。

主催者・親戚側の場合

一般的には礼装のマナーとして、参列者は主催者側よりワンランク下の着物で参列することになります。
つまり、主催者側の立場である新郎新婦の家族、親戚の場合は、第一礼装の着物を着ることでゲストと格が並ばないように配慮する必要があります。

新郎新婦の衣裳としては、五つ紋付きの羽織袴や白無垢、色打掛などが第一礼装にあたります。
新郎新婦の母親であれば黒留袖、親ではない既婚女性の場合は色留袖が最高ランクの礼装になります。

新郎新婦の姉妹であれば第一礼装がふさわしいですが、いとこやはとこなど、やや遠い親戚の場合はそこまで気負わず、少しランクを下げた装いでも問題ありません。

振袖

未婚の女性であれば、会場に華やぎをプラスする振袖を選ぶといいでしょう。
特に振袖は、成人式や卒業式以外にあまり着る機会がないとよく言われているので、チャンスがあればぜひ着ていきたいものです。

成人式や卒業式では、和洋折衷コーデとしてブーツを履いたり、アクセサリーをたくさん着けたりすることも多いかと思いますが、結婚式の場合は要注意。
お呼ばれの場では基本的に、きちんとした正統派の着付けで、草履を合わせて参列するのがマナーです。

アクセサリー類も、新郎新婦の門出をお祝いすることを念頭に置いて、あくまで自分が主役にならない程度のデザインを選ぶようにしましょう。

振袖は必要なアイテムが多いので、小物類がすべて揃っているか事前にチェックしておくことをおすすめします。

留袖

未婚・既婚問わず幅広く着用できる第一礼装が、色留袖です。
振袖に抵抗のある方や、参列する親戚に振袖や黒留袖の方が多くなりそうなシーンにおすすめです。
あるいは、五つ紋のついた訪問着なども色留袖に並ぶ格の高さになります。

新郎新婦の母親ではないが既婚で黒留袖を着る、というのももちろんOKです。
年齢にあわせて、華やかな柄行のものを選ぶのがおすすめ。
薔薇などの洋花が描かれたものや、金彩や刺繍で彩られた黒留袖に、似た色柄の華やかなバッグや草履を合わせると、お祝いの席にぴったりの装いになります。

招待客・ゲスト側の場合

新郎新婦の友人や知人として参列する場合は、セミフォーマル(準礼装)やインフォーマル(略礼装)の装いが基本になります。

カフェやレストランを借り切ってのパーティースタイルの結婚式など、カジュアルなお式の場合は装いの格もぐっと下がりますが、一般的な結婚式の場合はあくまで礼装であることを忘れずに。

ただし、五つ紋がついていたり、留袖を着たりするとゲストにしては格が高すぎるので気をつけましょう。

振袖

友人、知人として結婚式に参列する場合も振袖は活躍します。
基本的には成人式で着用したコーディネート一式をそのまま着用してOKですが、ブーツではなく草履を履くなど、最低限のマナーは押さえておきましょう。

また、卒業式などでは振袖に袴を合わせることも多いかと思いますが、結婚式などの改まった席ではあまり袴は着用されません。
絶対にNG、というほどの決まりはないのですが、女学生らしいイメージの装いではありますので、やはり結婚式では振袖単体でしっとりと着るほうがふさわしいでしょう。

訪問着・付け下げ

振袖以外の着物を着る場合は、華やかさと汎用性を兼ね備えた、訪問着か付け下げがおすすめです。
未婚・既婚問わずに着用でき、一枚持っていると式典やパーティーなどにも着ていくことができます。

色柄によっては何歳になっても着ることができるのも嬉しいポイントです。

訪問着と付け下げの明確な違いは、縫い目を越えて柄がつながっているかどうかで判別できます。また、付け下げのほうが柄が落ち着いていることが多く、訪問着のほうが華やかというイメージがあります。

格式としてはそれほど変わらないので、ご自身の好みに合う一枚と選ぶといいでしょう。

20代ママ向け!入学式・卒業式・七五三の着物

子どもが主役となる行事に参加する20代のお母さんは、着物を着てもいいのでしょうか?
答えは、もちろんOK。
特に入学式や卒業式、七五三などのイベントに着物を着ていくと、綺麗な写真が残せて家族で共通の思い出になります。

ただし、あくまでも子どもが主役であることを念頭において着物を選ぶようにしましょう。
幼稚園や学校の行事であれば、会場の雰囲気やマナーを意識することも大切です。

季節感を意識しつつ、お子様が喜んでくれるような素敵な着こなしを目指しましょう。
あまりにも奇抜すぎる装いよりは、正統派ではんなりとした雰囲気のほうがTPOに合わせやすいはずです。

訪問着

古典柄で淡い色の上品な訪問着は、お母さんらしさもありつつ20代ならではの明るい華やぎも演出できます。

濃い色の訪問着はやや重たく、シックな印象に見えがちなので、どちらかと言えば七五三などの秋の行事に向いています。
入学式や卒業式は春の行事なので、桜などの春らしい柄を選んだり、お祝いにぴったりの吉祥文様を選んだりすると、イベントの雰囲気に合ったコーディネートになります。

華やかすぎないか周囲の目が気になるという場合は、黒の羽織をジャケットのようなイメージで羽織ってもいいでしょう。
春らしさを出したいときには、白や生成りのレース羽織もおすすめです。

付け下げ

訪問着だと華やかすぎるので、一歩引いた控えめな装いがしたいという方には付け下げがぴったりです。
付け下げ訪問着という分類もあるので、はっきりとは見分けがつきにくいかと思いますが、訪問着と比べてより柄の割合が少ないものが付け下げです。

付け下げも訪問着と同じく、吉祥文様や花文様などがおすすめではありますが、せっかくなら20代らしく、ラインストーンやラメがあしらわれたものもいいでしょう。
控えめな中にも華やかさがにじむデザインのものを選ぶと、着物を着る楽しさが増しますよ。

色無地

訪問着や付け下げ以上に、着回しがきくコスパのいい着物はズバリ、色無地です。
名前の通り無地の着物なので、無難にどんな帯にも合わせることができます。

お子様の行事では袋帯を締めて、フォーマルな雰囲気をアップさせましょう。
帯を変えれば、他の式典やパーティー、遊び着にも使えます。
まだ小さいお子様がいて、正絹は汚しそうで不安…という方には、ご自宅で洗濯できる化繊の色無地もおすすめです。

色無地は特に、紋の有無で格が変わりやすいですが、最近では紋なしで仕立てて、帯次第で格を整える着方が主流になってきています。

また、柄がとても細かい江戸小紋の中には、色無地として着ることのできるものもあります。

20代のよそいきにおすすめ!フォーマル着物

ここでは、結婚式や子どもの式典以外のフォーマルな場面でおすすめな着物をご紹介します。

訪問着

振袖や留袖ほど仰々しくはないものの、華やかさが鍵となるフォーマルシーンでは訪問着が大活躍!
淡い色の訪問着は上品で優しく、濃い色の訪問着はキリッと大人な印象になります。

お正月の集まりや初詣に着物で華やぎを添えたいという場合には、おめでたい文様の訪問着をぜひ活用しましょう。

また、パーティーシーンやお見合いの席などでも、振袖より少し大人の女性らしく装いたいという方には訪問着がおすすめです。

付け下げ

訪問着よりは控えめに、すっきりと装いたいシーンにおすすめなのが付け下げ。
親族との顔合わせや挨拶まわり、お茶席などにも付け下げはぴったりです。
結婚式の二次会やお披露目パーティーなど、礼装や準礼装よりはややくだけた場にも付け下げはマッチします。

華やかな席では二重太鼓の袋帯を締めて、お付き添いなどの控えめな場ではシンプルな名古屋帯を合わせましょう。

色無地

ドレッシーなスーツやジャケットで決めたいような、カッチリとした雰囲気のある場には、スーツのように万能に着こなせる色無地がおすすめです。

会社関係のパーティーや企業主催のレセプション、あるいはお付き合いしている方の実家へのご挨拶にも、色無地は嫌味なく上品な印象を与えてくれます。

重厚な袋帯を合わせるとぐっとフォーマルに、染めの名古屋帯や紬地の帯を合わせるとカジュアルにくだけたイメージを演出できます。
一張羅のワンピースを選ぶ気持ちで、ご自身に一番似合う色を選んでみてください。

飛び柄の小紋

フォーマル向けの着物では少々固すぎるけれど、カジュアルすぎるのも気が引ける…そんな場合は、飛び柄の小紋がおすすめです。

例えば、はっきりとしたドレスコードがわからないレストランやホテルでの食事、ブライダルフェアなどでは、洋服でいえばワンピースか、スーツに近いちょっときれいめの服装を選びたいですよね。

飛び柄の小紋は、一見すると訪問着か付け下げに近いような雰囲気があり、少し上品な普段着として活用できます。
袋帯を合わせてセミフォーマルなコーディネートにすれば、子どもの式典などにも着ていくことができます。

20代の着物初心者さんの普段着におすすめ!カジュアル着物

きちんとした場で着物を着るのもいいけれど、もっと気軽に街着として着物を着用したい!という初心者さんに向けて、おすすめのカジュアル着物をご紹介いたします。

小紋

一般的に、カジュアルな着物として流通している着物の中で、柄がついている染の着物の大半が小紋です。
素材によって着物の分類は変わることもありますが、化繊の着物なども柄付けで判断すると小紋になることが多いです。

小紋は定義の幅が非常に広く、飛び柄や江戸小紋であればセミフォーマルに使えたり、あるいは完全にカジュアルスタイルに振り切っている更紗模様などの柄もあります。

基本的には、小紋はカジュアルな着物としてとらえていればOKです。

特に正絹の小紋は、着心地がしっとりとなめらかで吸いつくように肌に馴染むことから、「たれもの」の着物とも呼ばれています。
しかしながら、たれもの着物の特徴として、着付けが少々難しいという点が挙げられます。
サラサラとした質感のため、紐や帯がするりと滑ってしまい、固定がしづらいというのがその理由です。

そのため、着付け初心者さんであればひとまず着心地は加味せず、パリッとした化繊の小紋を選んでもいいでしょう。

セミフォーマルにも使える小紋とは異なり、完全なカジュアル着として着用されているのが紬の着物です。

たれものに使用される生糸とは異なり、くず繭と呼ばれる蚕の繭を一度つぶし、真綿という状態にしてから紡いだ「紬糸」を用いて織られます。
紬着物の多くは「先染め」といって、糸を染めてから生地を織り上げて作ります。
たれものは後染めや手描き友禅によって模様を描き、紬着物は織りによって模様を描くことから見分けがつきます。

また、紬の生地には独特なフシが生まれ、ややざらついた素朴な質感も特徴の一つです。
主に普段着として着用され、粋な雰囲気が魅力的な着物でもあります。

一昔前は渋めの色が多かったですが、現代では20代でも手に取りやすい、華やかな色や現代的なカラーリングの紬着物も増えています。

たれものとは異なるパリッとした風合いは、着付けが非常にしやすく初心者さんにも着やすい仕上がりです。
絹の一種である真綿からできているので軽くて着心地がよく、カジュアルさの中にも風雅なおしゃれさが漂う紬着物。
ワンランク上なカジュアル着物を始めてみたい方には、ぜひおすすめです。

木綿

正絹の小紋などよりも予算を押さえつつ、着やすさと素朴さを兼ね備えたカジュアル着物が欲しいという方には、木綿の着物をおすすめします。

絹ものに比べるとリーズナブルなので、お誂えの第一歩にふさわしい着物です。
最近ではポップな色やモダンな柄の木綿着物も増えているので、木綿着物=地味という昔ながらのイメージは薄れつつあります。

産地によって風合いが異なるのも、味わい深いポイントです。

木綿着物の代表格である伊勢木綿は、使い込むにつれて糊が落ち、やわらかく肌に馴染むようになっていきます。
通気性にも優れており、着やすく、ご自宅でお手入れがしやすいのも嬉しいところ。
単衣仕立てにすることが多いので、初夏や秋のはじめに重宝する着物でもあります。

ウール

おさがりの着物としてのイメージが根強い、ウールの着物。
昭和の時代に大流行したこともあり、実家で探してみるとウールの着物が見つかるという方は非常に多いのではないでしょうか。

おばあちゃんの箪笥に眠っていることの多いウールのアンサンブルは、完全なカジュアル着物として街着に向いています。

一時期、ウールのアンサンブルは時代遅れで野暮ったいという風潮も生まれましたが、アンサンブルは現代風にいうと「セットアップ」のこと。
羽織と着物が同じ柄で仕立てられているため、今っぽいお洒落な着こなしができるアイテムでもあるのです。

基本的には、木綿の着物と同じ感覚で着用することができます。

アンサンブルとして着用するもよし、羽織を別のものに替えてコーディネートの変化を楽しむもよし。
現代の視点から見ると、古着の中にもポップでレトロ可愛い色柄のウール着物がたくさんあるので、ぜひ実家の箪笥を捜索してみてはいかがでしょうか。

まとめ

20代の方へ向けて、おすすめの着物や着こなしについて紹介して参りました。
あらゆる年代の中で、どんな色柄でも似合いやすいというのが20代の強みです。
渋い色味を若々しく着こなしたり、デニムやウールの着物でカジュアルスタイルを貫いたり、華やかで可愛らしい着物を目一杯楽しむこともできます。

TPOさえ意識していれば、ご自身の好きな着物を好きなスタイルで着るのが一番素敵かと思います。
もし着物選びに迷ったら、「若いうちにしか着られない」という基準で選んでみるのも手かもしれません。

一般的なマナーやルールについても触れてきましたが、大切なのは、自分が何を着たいか、どんな着物にときめきを感じるか。
年齢を重ねると新たに似合う色柄が増えたり、もしくはいくつになっても可愛らしい色を着こなすことができたりと、人によってそれぞれの着物との向き合い方があります。

あくまで参考程度に、自分の心に響く着物選びをしてみてくださいね。