日本文化を語るうえでかかせないもののひとつに着物があります。
「実家や親族の家のタンスに眠っている着物がある」なんてご家庭も多いはずです。
そんな日本文化の象徴ともいえる着物なのですが、「結婚式に参列する場合や、子どもの入学式など、着物を着られる機会はあるもののどうしたらいいかわからない」という方もいらっしゃるのではないでしょうか。
そこで今回はそんな着物に関するお悩みを解決していきたいと思います。
自分で着付けてみるか、着付け師に依頼するかどちらがいいのか。
着付け師に依頼する場合にはどんなことに気を付けたらいいのか。
などの、基本的な内容から信頼できる着付け師としての証である「着付け師の資格」に関することまで解説していきます。
着物に関して全く知識のない方でもこの記事を読めば、着物や着付けに関する基本的なことすべてをカバーすることができますよ。
タンスに眠っている着物を活用すべく、着付けのノウハウを手に入れてみませんか。
どうやって着付けをするのがベスト?
着物の着付けについて考えるときには、まず自分の状況と照らし合わせてみるのがいいでしょう。
実際に着物を持っているのか。
持っているとすれば振袖や訪問着などどのような種類の着物をもっているのか、などによって、着付けのベストな方法は変わってきます。
まずは次に紹介する簡単なフローチャートでどのような着付けのやり方が向いているかを把握していきましょう。
着付けを自分でするメリット・デメリット
フローチャートで「着付けを自分でする」が当てはまった方は、まず自分で着付けをする場合のメリット・デメリットを確認しておきましょう。
自分が着物を着て何をしたいのかを想像しながらチェックしてみてください。
自分で着付けをする場合のメリット
- 好きなタイミングで着物を着られるようになる
- 着付けの費用を抑えられる
- 着崩れても自分で直せる
- ゆくゆくは仕事にもつながる
- 人生が豊かになる
着物を自分で着られるようになると、着付けの予約をする必要もなく思い立ったときにすぐ着られますし、着付けの費用もかかりません。
冠婚葬祭を着物にしてしまえば、結婚式に出席するたびにドレスを買いそろえたりする必要もなくなりますよ。始めは自分のためだったけど、ゆくゆくはお仕事につなげていくこともできます。
いつもの生活に着物が加わるだけで、あなたの人生がより豊かなものとなるでしょう。
自分で着付けをする場合のデメリット
- 準備が大変
- 着物が手元にないと難しい(手配が大変)
- 振袖は自分で対応できない
- ヘアメイクも自分でやる場合がある
- 着物の収納場所の確保が大変
- 着物のお手入れが必要
デメリットは着物の管理に関することが多いです。
洋服とは違い、着物はしわにならないよう畳み方が決まっていますし、横にしたまま収納しなくてはならない、など着物ならではの配慮が必要になります。頻繁に使用しない場合には時々着物を出してあげて、風を通してあげるのも長持ちさせる秘訣です。
また、クリーニングなどが高額になりがちなのもデメリットになり得るポイントです。
着付けを他人(着付け師)にしてもらうメリット・デメリット
フローチャートで「着付けを他人(着付け師)にしてもらう」が当てはまった方もまずは、他人に着付けをしてもらう上でのメリット・デメリットを見ていきましょう。
どういった機会に着物を着る可能性があるか想像しながらご覧ください。
他人(着付け師)に着付けをお願いするメリット
- プロに対応してもらえる
- ヘアメイクなども一括で対応してもらえる
- 着物をコーディネートしてくれる
- 準備さえすれば着付けてもらえるので楽
プロが対応してくれるため、自分は立っているだけで着物が着られてしまうというのが最大のメリットです。
あとは、ヘアメイクがセットになっている場合にも、移動することなく一か所でプロの仕上がりを手に入れる事が可能です。
また、レンタルする場合には帯揚げや帯締めなどの小物もコーディネートしてくれているため安心です。
他人に着付けをお願いするデメリット
- スケジュールなどに制限がある
- 着付けやヘアメイクの費用がかかる
- 早朝から準備しなくてはならない
- 途中着崩れなどのトラブルに対応できない
他人(着付け師)に着付けをお願いする上でのデメリットはやはり費用の部分が大きいです。
また、予約が埋まってしまわないよう早めに予約をする必要がありますし、ちょっと不便な場所しか予約がとれなかった場合には、当日は移動のための余分な時間が必要になってしまいます。
プロに着付けてもらったしても、襟もとが着崩れしてしまったり、腰ひもが当たって痛い部分が出てきたりとトラブルが起こることはあります。
そんなときに、着付けの知識がないと直すことができずせっかくの着物をかっこよく着こなすことができないどころか嫌な思い出にもなりかねません。
気になる場合には、簡単なトラブル対処法を着付けの方に聞いておくことをおすすめします。
自分で着付けをする場合
自分で着付けをする方法を学ぶ場合には独学か着付け教室の2つの方法があります。
着付けはスポーツと似ていて、「動作が身体に染みついてきて覚える」というようなものなので短時間で習得することはむずかしく、どうしても時間がかかってしまいます。
ですが、一度習得してしまえば、お正月やちょっと気分を変えたいお出かけのときなど自分の好きなタイミングで気軽に着物を楽しむことができますよ。
眠っている着物がある場合や結婚式が続き定期的に着物を着る機会がありそうな場合には、着付けを学んでおくと人生の選択肢が増えますよ。
もしも出産の予定がある方は、お宮参り・七五三・入園式・卒園式などなど着物を着られる機会がかなり増えますので、自分で着付けを覚えることは特におすすめです。
独学と着付け教室に通う場合の比較
それでは独学で学ぶ場合と着付け教室に通う場合のメリット・デメリットを比較していきましょう。
自分のライフスタイルや希望にあうのはどちらか考えてみてくださいね。
独学で学ぶ場合
まずは独学で学ぶ場合から。
自宅で自分のペースでできて、気軽に始められるイメージですが、具体的にはどのようなメリット・デメリットがあるかみてみましょう。
独学で着付けを学ぶメリット
- お金をかけずに学べる
- 好きな場所や時間で学べる
- 自宅で完結する
独学で着付けを学ぶ場合のデメリット
- 正しい着付けの判断ができない
- 着付けを習得するまで時間がかかる
- 着付けの悩みを相談できない
- 孤独なので途中で挫折しがち
独学の大きな特徴は時間を気にせず、費用が抑えられること。
本格的な着付けを本気で学びたいというよりは、「費用をかけずに着付けとはどんなもんかちょっと経験してみたい」そんな方におすすめです。
独学で少し勉強してみて、もっとやりたいと思ったら教室で本格的に学ぶという方法もよいでしょう。
着付け教室に通う場合
続いては、教室に通って着付けを学ぶ場合はどうでしょう。
教室に通うとなると、本格的に着付けを学べそうなイメージですが、具体的にはどんなメリット・デメリットがあるのか見ていきましょう。
着付け教室に通う場合のメリット
- 正しい知識が身に付けられる
- しっかりとしたカリキュラムがある
- 着付け仲間ができる
- 資格取得も目指せる
- 着物を着るイベントに参加できる
- 着物に関わる世界を広げられる
着付け教室に通う場合のデメリット
- スケジュールに制限がある
- 独学に比べて費用がかかる
着付け教室に通う場合の大きなメリットは費用が多少かかったとしても、正しい知識が身に付けられるところです。
カリキュラムがしっかりしているため、順を追って着付けの方法を効率よく学ぶことができます。
また、教室によっては着物を着て出かけるイベントを開催してくれることもあるため、モチベーションの維持や、着物を着る楽しみを持続させることが可能です。
着物に関連する所作を学ぶこともできますし、茶道のイベントなどから着付けだけではない着物の世界が広がることもありますよ。
「せっかくやるなら正しいやり方を身に付けたいし、着物に関するさまざまな世界を広げたい」そんな場合には着付け教室で学ぶ方法がおすすめです。
着付けに挑戦する
「とりあえず独学で自分のペースで進めていきたい。」
そんな方は実際に着付けがどういった手順で行われるのか詳しい着付けガイドをみてみましょう。
自宅に着物があるかたは、早速着付けに挑戦してみてはいかがでしょうか。
着付け教室に通う
本格的な知識を身に付けたい方は、教室探しを始めましょう。
着付け教室は全国にありますので、自宅の近くの教室を選ぶと通いやすくおすすめです。
着付け教室を選ぶときのポイントは、
- 着物の無料レンタルがあるか
- 初心者でもわかりやすいコースがあるか
- 授業の振替は可能か
- 着付けを実践できる授業があるか
- 一度に何名が受講するのか
- 着物やグッズを購入する必要はないか
- 体験プランがあるか
- どのような資格が取得できるのか
などです。
着付け教室の中には、高額な着物を買わされてしまうところも残念ながら存在するようです。
気持ちよく受講するために、費用についてハッキリしない場合には始めに確認しておくとよいでしょう。
もしも体験コースがある場合には、教室や他の生徒さんとの相性をみることができるのでおすすめです。
他人(着付け師)に着付けをしてもらう場合
成人式などをきっかけに着物に興味を持ち始める方も多いかもしれません。
「とりあえず自分で着付けを学ぶ前に、着物を着ることから始めたい。」
そんな方は着付け師さんに着付けをお願いしてしまいましょう。
着付けもできる美容師さんがいらっしゃることもありますし、美容室と提携している着付け師さんにお願いするのが一般的な方法です。
美容室以外では、着物を購入・またはレンタルした呉服店で着付けをしてくれたり、中には自宅まで出張してくれて対応してくれることもありますよ。
ヘアメイクまで完璧にしたいのか、ヘアメイクは自分で済ませるので自宅まで来て欲しいなど自分にあった選び方をしたいですね。
各着付け師の比較
他人に着付けをお願いする方法は大きく分けて「美容室・呉服店・出張着付け」の3つがあります。
それぞれの特徴を比較してみました。
あなたの要望に応えられるのはどのタイプでしょうか。
今回は入学式・結婚式などさまざまな場面で活躍してくれる「訪問着」という着物の着付けを元にまとめてあります。
美容室 | 呉服店 | 出張着付け | ||
費用 | 着付け | 約9,000円 | 5,500円~25,000円 (着物レンタル代込) |
5,500円~10,000円 |
ヘアメイク | 約9,000円 | △ | △ | |
時間 | 着付け | 30分~40分 | 30分~40分 | 20分~50分 |
ヘアメイク | 30分~40分 | – | – | |
その他 | 自分の着物 | 持ち込み可 | できないことが多い | 持ち込み可 |
メリット | プロのヘアメイクができる | 着物を持ってなくても大丈夫 | 荷物の持ち運びが必要ない | |
デメリット | 費用がかかる | ヘアメイクは自分で | ヘアメイクは自分で |
それぞれの特徴を一つずつ解説していきます。
各着付け師の比較
美容室の中には、着付けのできる美容師さんがヘアメイクも一緒にやってくれるところもありますが、だいたいの場合は提携している着付け師さんが美容室に来て、着付けてくれます。
美容室なので、ヘアメイクに関する設備も整っているため着付けからヘアメイクまで全てプロに任せて完璧な仕上がりを期待することができますよ。
デメリットとしては、ヘアメイクまで頼むため当たり前ではありますが、自分でヘアメイクを済ませるときよりは費用がかかってしまいます。
成人式や結婚式など一日がかりのイベントのときなどヘアメイクまでバッチリ決めたいときにおすすめです。
お店によっては着付けのみ、ヘアメイク(ヘアセット)のみでも受け付けてくれますよ。
家の近所に着付けをしてくれる美容室がある場合には、荷物も運びやすいのでおすすめです。
呉服店で着付けをお願いするときの特徴
着物を購入(またはレンタル)した呉服店でも着付けをお願いすることが可能です。
着物代とは別で着付けの費用がかかる場合(5,500円程度)もありますが、着物をレンタルした人(約25,000円程度)は無料で着付けをしてくれるところも多い(価格はお店によってさまざま)です。
毎回違う着物を楽しめますし、帯揚げや帯締めなどの小物もコーディネートしてあることが多いので初心者でも気軽に利用できますよ。
ヘアメイクに関してはお店によって対応が異なり、できても簡単なヘアセットのみの場合が多いです。
最近では、観光地で着物をレンタルしてくれるサービスもありますし、着物を持っていない人でも一式そろえてくれていることが多いため、成人式などの大きなイベント以外でも比較的気軽に利用できるイメージです。
家の近所ではなく目的の会場近くの呉服店で着付けをお願いする場合には、荷物をロッカーに預けることが必要になってきますので、注意してください。
着物は持っていないからレンタルしたいという方は、レンタルすれば無料で着付けをしてくれる呉服店がおすすめです。
出張着付けで着付けをお願いするときの特徴
「出張着付け」では、美容室や呉服店に出向く必要がなく、自宅に着付け師さんが来てくれて着付けをしてくれます。
呉服店が出張着付けも行っていたり、個人の着付け師さんとネットなどを利用してつながり、個人で着付けをしてくれているところもあります。
ヘアメイクに関しては、着付け師さんによって対応はさまざまです。
とくにヘアセットの料金は取らず「簡単なヘアセットならついでにやりますよ。」というスタンスが多いイメージです。
自宅に着付け師さんが来てくれるため、忘れ物の心配や荷物をロッカーに預ける必要もありません。
七五三などで、お子さんも一緒に着付けをお願いする場合には自宅という慣れた環境で行える出張着付けはおすすめです。
なかには「2人で伺います。」というところもあり、よりスピーディーな着付けが叶いそうですよ。
出張着付けは、頼んだ着付け師さんによってさまざまな違いがありそうなので、交通費込なのか、早朝の追加料金はいくらかなどの情報を、より注意深く調べて選ぶ必要がありそうです。
着付けに必要なもの
他人に着付けをお願いする場合、着付けに必要な物を持っていく必要があります。
着物を呉服店でレンタルする場合にも、肌に触れるものは自分でそろえる必要がある場合が多いので注意してくださいね。
下準備(小物) | ・足袋 ・肌襦袢(ワンピース型もあり) ・裾除け(ワンピース型もあり) ・和装下着※1 ・タオル(3枚程度)※2 伊達締め ・腰ひも(5~6本) ・コーリンベルト(あれば) |
※1和装下着がない場合にも、ワイヤー付きではない下着の方がよい。 ※2 薄い色の厚すぎない長細いタオル(フェイスタオル) |
着物 | ・着物 ・長襦袢(半衿を付けておく) ・衿芯 ・伊達衿(飾り用なので必要ならば) |
– |
帯 | ・帯 ・帯板 ・帯枕 ・帯締め ・帯揚げ |
– |
その他 | ・草履 ・ハンドバッグ ・ビニール袋※3 |
※3 履いてきた靴をしまったりするため |
今回はより一般的な訪問着を着付けしてもらう際の紹介をしました。
振袖を着付けてもらう際には、この他「伊達衿、帯結びに関する道具や髪飾り」なども必要になります。
呉服店の場合には最悪これらの物を忘れても代用してくれる可能性はありますが、それ以外の場合には、忘れてしまうと着付け自体ができないことがありますので早めに準備をするなどして、十分注意してください。
下着に関してはワイヤー付きのものですと、ワイヤーがあたって痛くなる可能性があるため、カップ付きキャミソール(着付け師さんと相談)やノンワイヤータイプをおすすめします。
肌寒い季節など何か他にも着物の下に着たい場合には、衿元からのぞいてしまわないような襟ぐりの広いものにしましょう。
着付け師さんによって対応も変わるので、なにか不安なことがあれば事前に確認しておくとよいですよ。
着付け当日の流れ
それでは実際の着付け当日の流れを確認しておきましょう。
今回は美容室などでヘアメイクから着付け全てをお願いする場合の流れを紹介します。
自分で済ませていく場合にはヘアメイクの時間は必要ありません。
忘れ物がないかもう一度確認して自宅を出発
↓
ヘアメイク(へセットとメイクが同時のこともあり)
↓
着付け
・足袋をはく
・肌襦袢を着る
・補正をする
・長襦袢を着る
・襟もとをを整える
・着物を着る
・襟元・おはしょり・足元の丈に注意
・帯を巻く
・帯揚げ・帯締めをしめる
↓
着付け完成
↓
着心地の確認
・帯がきつくないか
・衿が綺麗に抜けているか(直し方も聞いておくとよい)
・何かあたって痛いところはないか
もしも成人式などで振袖を着付けてもらう場合には、2人がかりで行う必要があり予約が早めに埋まってしまう可能性もあります。
また慣れない着物での移動はなにかと時間がかかるため余裕をもったタイムスケジュールと早めの予約を心掛けましょう。
美容室などでは、早朝の予約が必要なこともあるので費用などについてもしっかり確認しておくとよいですよ。
着付けを依頼する時の注意点
着付けを他人(着付け師)にお願いする際の注意点をみていきましょう。
洋服と違い、着物ならではの気を付けるポイントもありますので確認してくださいね。
とにかく「ヘアセットが完了したらすごく身動きがとりづらくなる。」ということを頭に入れておいてください。
- メイクを依頼する際にはノーメイクで行く
- ヘアセットをする場合にはスタイリングしない(整髪料もダメ)
- ヘアセットを崩さずに脱げるよう洋服は前開きの物を着ていく
- 肌襦袢以外に防寒のための肌着などを着用する場合には着付け師に相談しておく
- 荷物を持ち歩かなくていいようにロッカーなどの場所を確認して確保しておく
- 草履・ハンドバックなどは忘れがちなので注意
- 半衿のつけ忘れに注意
- ワンピースやパンプスなど荷物がかさばらない服装で行く
- 忘れ物があると着付けができないこともあるので持ち物は早めに準備する
着付けのプロ(着付け師)の選び方
では、どのような着付け師に依頼するのがいいのか選び方のポイントを見ていきましょう。
呉服店や美容室などでは提携している着付け師さんがいるので比較的安心ですが、出張着付けのように個人で着付けを請け負っているような場合には、よく下調べしたいですよね。
そういった場合には、
- 口コミ
- 予算(交通費・早朝料金など)
- 着付け師の資格の種類
- 経験年数
- 草履・ハンドバックなどは忘れがちなので注意
- 着付け例の写真
- 自宅はもちろん会場の近くでも対応してくれるか
これらを判断基準にして、相性の良い着付け師さんを選びましょう。
着付け師とは
ここでは着付け師とはどのような人たちのことなのかを掘り下げていきましょう。
着付け師とは着付けの専門知識をもったプロフェッショナルの人たちのことで、着物の着付けはもちろんのこと、着物の種類や所作など着物に関するさまざまな情報にも詳しくなくてはなりません。
着付けの仕事自体は資格がなくてもできるのですが、高い専門性や技術をもっているという判断基準として資格が用いられることが多いです。
また、着付け師という職業は年齢に関係なく一生続けられるお仕事なので、全ての年代で人気のある職業でもあります。
着付け師の資格は複数ある
ここでは着付け師の資格について解説していきましょう。
細かくみると着付け師の資格にはその団体ごとに資格がもらえることもあるのですが、大きくわけると「国家資格であるか、そうでないかの2種類」になります。
国家資格の資格は平成21年より開始された「着付け技能士」という資格で1級・2級に分かれます。
今回は国家資格である「着付け技能検定1級」・「着付け技能検定2級」・「それ以外の資格」の3つに分けて比較していきましょう。
着付け技能士 1級 | 着付け技能士 2級 | それ以外の資格 | |
受験資格 | ・2級合格者 ・実務経験5年 ・着付けに関する学科を卒業+実務経験2~4年 |
・実務経験2年 ・着付けに関する学科を卒業 |
それぞれの団体が指定するコースを修了したもの |
科目 | 学科・実技 | 学科・実技 | 学科・実技(団体による) |
費用 | 学科:8,900円 実技:18,500円 |
学科:8,900円 実技:16,700円 |
免許代込のコースで約5円~25万円程度 |
会場 | 札幌、仙台、東京、名古屋、大阪、福岡の会場 | 札幌、仙台、東京、名古屋、大阪、福岡などの会場 | 団体によって異なるが、通いなれたスクールで受けられることもある。 |
国家資格である「着付け技能士」の資格は「全日本着付け技能センター」というところが請け負っています。
「着付け技能士」の検定を受けるための着付けの認定スクールでは、試験対策を行うことも可能です。
国家資格以外のその他の資格については、それぞれの団体により種類や費用も異なります。
出張着付けサービスの着付け師さんの中には、「着付け技能士1級」の方もいらっしゃいますが、その他「着付け講師」「きもの国際免許」なども混在していました。
このように国家資格以外の資格の名前は、着付けを教わった教室によってさまざまです。
「国家資格か、それ以外の資格」どちらを取るか迷うところではありますが、着付けをお願いする一般の方は「どのような名前の資格か」ということはあまり気にされてないように思います。
どちらにしても資格がある方が利用する人の安心感につながるため、着付けを将来のお仕事につなげたい方は、資格取得を視野に入れたスクール選びをするとよいでしょう。
まとめ
着物の着付け方法や資格に関して紹介しました。
着物を着るためには、自分で着る方法と他人にお願いする2つの方法がありました。
着物を着る頻度が多い方は、自分で着物を着られる方法を身に付けておくとよいでしょう。
着付けを学ぶ方法には、独学と着付け教室がありました。
将来の仕事にもつながるような正しい知識を身に付けたい場合には、着物教室に通うことをおすすめします。
自分にとってのベストな着付け方法というのは、ライフスタイルや将来の希望によって変わります。
それぞれの一番いい方法をみつけて着物を楽しんでいきたいですね。
この記事を参考に着物や着付けを、身近なものとして触れもらい、人生をより豊かなものにしていただけたら嬉しいです。