着物の正絹には種類がある?繭や蚕から絹(シルク)ができるまで、各過程による名称の違いを解説

着物の正絹には種類がある?繭や蚕から絹(シルク)ができるまで、各過程による名称の違いを解説

着物の原料といえば、「繊維の女王」絹(シルク)。
肌触りがよく、吸湿性・放湿性に優れ強さとしなやかさを併せ持つ美しくも機能性に優れた繊維です。

麻や綿と並び三大天然素材の一つである絹の原料はおカイコさんの作り出す繭で、自分の身を外界から守るための覆いですからその丈夫さはいわずもがな。
絹の国と謳われた日本では、弥生時代には中国よりシルクロードを通じて養蚕と絹の製法が伝わっていました。

同じ「絹」であるはずの着物が、産地や織り方によってまったく違った風合いの織物になるのはご存知ですか?
小紋や訪問着に多い、いわゆる「たれもの」「やわらかもの」と呼ばれる着物と、紬や御召といった「かたもの」に分類されますが呼称でわかるようにさわり心地がまったく異なるのです。

その理由は…
絹は、繭の種類や製糸工程によって風合いが異なるから。

着物について調べていると必ず出てくる「絹糸に関する用語」の解説などもふまえて、正絹の種類について解説していきます。

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着物の「正絹」に種類はある?

絹糸を織りなすために必要な繭を生み出す蚕は、飼育する「家蚕」と野生の「野蚕」に大別されます。

「繭」とは蚕がさなぎになるために、口から絹糸を出して自分の身を保護する覆いのことで、鎧の役割を持っています。
1個の繭から1000~1500mの生糸が引けますが、着物地を一反織り上げるためには約5キロ(繭の大きさにより2500~4000個)の繭が必要となります。

繭の種類「家蚕」

絹糸のもっとも基本的なものが安定的な生産性があり、世界各地で養殖がおこなわれているのが家蚕の「繭」(通常の繭)です。
桑の葉を食べて育つクワコ(桑蚕)は、良質な絹糸を安定して生産する為に品種改良をされており屋内で飼育されます。

ブランド名が特に表示されていない一般的な「絹糸」は大抵この通常の繭からつくられた糸で織られています。

古来の在来種「小石丸」

奈良時代より飼育されている日本古来の在来種で、宮中で皇后御親蚕に用いられる非常に上質な品種です。

・最も細い糸
・ツヤがあり、張力が強い
・けば立たない

といった特徴から天女の羽衣と謳われ、絹本来のすべての良さを最高レベルで持った最上品質の絹として高値で取引されます。
あまりにも小さく細い糸を吐く小石丸は、通常の繭からとれる糸の半分以下の繭糸量で経済的ではないため現代民間での飼育は非常に少なく、宮崎県綾町など数か所のみの生産にとどまっているため「幻の絹」となっていきました。

宮中では昭和天皇の后・香淳皇后が昭和天皇が即位(1928年)より「古い日本種を保存したい」と養蚕を行っており、1989年に平成天皇の即位と共に皇后美智子さま(現・上皇后)が養蚕を引き継がれています。

改良新品種「新小石丸」

伝説的な品種となり珍重されてきた小石丸を今の養蚕技術に合わせて改良し、海外種を掛け合わせて作られたのが「新小石丸」です。
繭は小粒で、太さにムラのない良質な細繊度の生糸がとれるとされています。

牛首紬の元「玉繭」

養蚕をしていると「本繭」と呼ばれる正絹の絹糸用に商品化できる正常な繭の中で2~3%の割合で必ず「屑繭」がでます。
その中で2匹の蚕一つの繭を作りあげたものが「玉繭」です。

玉繭は、繭から2本の糸が出るため必ず糸を紡ぐ際に絡まり、ふしができることから「絹糸にならない不良の繭=屑繭」と呼ばれます。
商品化できない繭から農家の女性たちが自家用に織り上げたものが紬で、農作業にも耐えうる丈夫さから野良着として着られていました。

江戸時代後期から町人階級に好まれるようになり、明治後期ごろから高級化してきたといいます。
代表的な着物は、石川県の伝統的工芸品「牛首紬」です。

繭の種類「野蚕」

家蚕とは対照的に野生の蚕を「野蚕(やさん)」といいます。
野生といっても管理がされていないわけではなく、人間が管理する山に放し飼いにされている蚕を指し、品種改良も行われています。

野蚕は抗菌・高酸化力に優れ紫外線の反射や吸収力も優れていますが、家蚕に比べて吐く糸が少なく、飼育に手がかかるため生産量が少なく高価になっています。

天蚕・山繭

「繊維のダイヤモンド」と謳われ、非常に高価な糸を生み出すのは代表的な野蚕の一種「天蚕」が作った山繭です。

長野県安曇野市や松本市で織られる天蚕の着物が代表的で、天蚕紬や山繭紬などの名がありますが国に定められた指定要項をクリアした織物は信州長野の「信州紬」として伝統的工芸品指定を受けています。

天蚕は飼育の難しさと織り、染め共に難易度が高く最盛期の明治30年には年間300万粒の繭を生産していましたが、今は多くて年間2万粒と生産が激減しています。
一反に必要な繭が約3,000粒といわれていますから、年間5,6反しかできないことから稀少価値が高くなり必然的に高価になっていくのです。

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繭を加工したものが「真綿」

蚕の繭を重曹で煮て、セリシンを溶かし広げて乾燥させた綿を真綿といいます。
木綿と混同されがちですが、日本では室町時代に木綿が伝わる以前「綿(わた)」という単語は「真綿」のことを指していました。

生糸にできない質の繭「屑繭」を精練した後に水洗いをして、水中で引き伸ばしながら不純物を取り除きゲバという木枠に均一に張りかけて乾燥させる基本的な製法で作られた真綿を「角真綿」といいます。
製法によって「袋真綿」「ひじ掛け真綿」などと分類されることもあります。

白くて光沢があり、柔らかさと保温性を持ち合わせているため昔から防寒用の綿入れとして布団や防寒着に詰められて重宝されていました。
質のいい真綿は紬の原料として、真綿糸や手紡ぎ糸にして着物に使用されます。
代表的な真綿紬は、伝統的工芸品の「結城紬」などです。

繭から生糸になるまでの製糸工程

繭の種類によってすでに糸の風合いが違うことがわかりましたが、実際に繭から糸になる製糸の工程で違いは出るのでしょうか。

ここでは絹糸の中でも基本的な「生糸」の製糸工程を見ていきましょう。

繭集荷と乾繭

糸づくりはまず。養蚕家で作られた「生繭」(蚕が繭の中で生きた状態)を買い取るところから始まります。
中から繭を食い破られる前に製糸しなくてはならないため、繭を煮て糸がほぐれやすくする解舒(かいじょ)と水分を蒸発させて乾燥させる乾繭(かんけん)によって繭の品質を保持します。

生繭のままで放置しておくと、さなぎの皮膚が硬化し繭の表皮にシワが表れたり、カビが発生したりして製糸原料としての価値を失ってしまうため繭を仕入れたら必ず行う工程です。

繭の保存「貯繭」

乾燥させた繭は、空気や光、湿気など外界からの影響やネズミや害虫、カビなどから守るために保存されます。
タンク詰法や冷蔵法、生繭の状態で冷凍保存をしたり塩蔵することもあり、繭を保存する工程を「貯繭(ちょけん)」といいます。

合併と選繭

仕入れた繭の中から、蚕の品種や産地、時期や産期などが一致した繭を混合する「合併」という作業をおこないます。
その後で不良繭を選り分ける「選繭(せんけん)」を行い、繭の形やサイズ、繭層の厚みなどから規格に合わない繭を取り除くことで品質維持ができるのです。

この段階で規格外になるのがのちに玉糸や紬糸になる「屑繭」と呼ばれる繭です。
厳選された生糸になるべき繭は、いよいよ製糸工程に進みます。

煮繭工程

90度~100度の熱湯で10分ほど繭を煮て、繭から糸を繰りやすくするために糸をほぐします。
繰糸能率や糸の量、生糸の品質など今後の工程に与える影響が大きい為準備のひと手間です。

蒸気煮繭法、基準式煮繭法、赤外線煮繭法など、さまざまな手法から適した煮繭法を選びおこなわれます。

繰糸工程

糸をつくる製糸工程の中で最も重要な工程といわれているのが、この繰糸工程です。
糸を繰りやすくするために、前工程で煮た繭の糸口を繰糸湯に入れ数本の糸を合わせ、抱合と呼ばれるセリシンで固める工程を踏み一本の生糸にしていきます。

繰糸器は昔ながらの座繰器が基本でしたが、近年では自動で生糸の太さを自動で感知し整える「高速自動繰糸機」が登場し、繰糸も自動化されるようになっています。

織物の中には、繰糸工程を指定しているものが多くあり、例えば日本国内の織物では2種類しか登録されていない「ユネスコ無形文化遺産」のひとつ「本場結城紬」では繰糸工程をすべて手作業で行う「手つむぎ糸」の使用が義務付けられています。

整理工程

繰枠に巻き取った生糸は糸の歪みを整えたのち、出荷や梱包がしやすいように巻き返し荷造りが行われます。
こうして着物や帯を織る為の原料となる「生糸」が完成し、白生地産地へと運ばれて織りや染めを経て一反の生地へと生まれ変わります。

着物一反、帯一反を織り上げるといっても非常に多くの工程がかかるのがわかりますね。

製糸過程による糸の種類

具体的な製糸過程を見ていきましたが、生糸以外の糸もあります。

生糸

数個の繭から糸を引き出し、抱合(セリシンで固める)し1本の糸状にしたものが生糸です。
糸の段階ではほとんど撚りはなく、未精練でごわごわと固い手触りが特徴で、「後練織物」とよび生糸を用いた代表的な生地にはちりめんや羽二重などがあります。

練糸

生糸を精練してセリシンを取り除き、繊維状タンパク質の一種である「フィブロイン」を主体とした糸が練糸です。
絹本来の光沢と手触りがあり、精練の程度によって固さが異なります。
練糸を使用した織物を「先練織物」とよび、代表的な生地は御召などが該当します。

繭・製糸方法による糸の種類

繰糸工程でも解説しましたが、糸をつくる製糸工程の中で最も重要な工程といわれている繰糸工程の方法や繭によって決まる糸の名称もあります。

絹糸

一般には機械で繰糸してつくられる糸で、主に精練後の練糸を指します。
糸取り機を回転させて巻き取っていくため、ひとつの繭から1000m以上の糸を連続して取ることができます。

広義では絹繊維から作られる糸を総称した呼び名なので、「正絹の着物」「絹で織られた着物」「シルクの着物」の原材料はなにか?と問われて「絹糸」と答えるのは間違いではありません。

座繰り糸

手動式、足踏み式など伝統的な座繰り機を用いて作った生糸を「座繰り糸」といいます。
手作業のため機械繰糸と比べて糸とには絶妙な太細ができ、独特の味わいが生まれるのが特徴です。

手つむぎ糸/手紬糸

複合的に絡まり、糸口の存在しない真綿からすべて手作業で糸を引き出したものを「手つむぎ糸」といいます。
唾液をつけながら真綿から糸を引き出し、ほとんど撚りをかけずに糸を作ります。
糸には節や太細があり、空気を多く含むため織りあがった織物は暖かさや独特の風合いが特徴です。

空気を含んだふわっとした真綿の感触が肌に伝わるため非常に軽く感じられ、実際に一反あたりの重さは他の紬織物と比べると2割ほど軽いといわれています。
現在手つむぎ糸を用いるのは「本場結城紬」のみとなっています。

手紡糸

真綿から手紡機で引き出した糸を「手紡糸(てぼうし)」といいます。
節があり、撚りのかかった糸を手作業で紡いでいきます。
代表的な織物は塩沢紬の糸で、手作業ゆえに技術が必要です。

絹紡糸

生糸にはできない屑繭や製糸くずを原料とし、紡績機で「紡いだ絹糸」を「絹紡糸(けんぼうし)」といいます。
生糸のような滑らかさやキラキラとした光沢は出ませんが、取り扱いがしやすくシルクの靴下や肌着など、直接肌に触れる製品に多くつかわれています。

玉糸

2匹の蚕が作った玉繭(同功繭)から座繰りで作られた糸を「玉糸」といいます。
玉繭は中に2匹の蚕がいるために糸の出口が2つあり、片方の繭糸を切りながら作る為、一方の繭糸が絡みついて節のある太めの生糸になります。

糸素材による種類

家蚕と野蚕でも説明しましたが、蚕の中でも野蚕は種類ごとに糸の名称がついています。
織りあがった反物にも名称がわかりやすく書いてあることがおおいためチェックしてみてください。

野蚕糸

山に自生する野生の蚕の繭からとった糸の総称を「野蚕糸(やさんし)」といいます。
蚕には柞蚕(タッサー)、天蚕(山繭)、ムガ蚕などの種類があり、太くて粗硬で味わい深く紬織物などに使用されます。

柞蚕糸/タッサーシルク

中国原産のヤママユガ科の蛾で、クヌギやナラの葉を食べて育った褐色の繭から紡がれる黄褐色の生糸が特徴です。
織りあがった生地は「タッサーシルク」と呼ばれます。

タッサーシルク オーガンジー

天蚕糸(山繭糸)

先述した「山繭」から紡いだ糸を「山繭糸」「天蚕糸」といいます。
繭は黄緑色で、紡がれる糸は緑がかった独特のツヤが美しく非常に希少で「絹のダイヤモンド」と呼ばれています。

加工による糸の種類

繭や繰糸の工程を終え、糸の状態になってからさらに加工を加えて織り上げる場合加工ごとの名称もあります。

撚り糸

撚りをかけた糸で、撚糸(ねんし)ともいいます。一般的に生糸はほとんど撚りをかけない「無撚糸」ですが、糸を強くしたり織物の味を出したい場合に撚りをかけます。
撚りをかける回転数によって、「甘撚り糸」「並撚り糸」「強撚糸」など分類され、右に回転させる右撚りを「S撚り」、左に回転させる左撚りを「Z撚り」といいます。

片撚り糸

撚りをかけていない生糸に、一方向の撚りを入れた糸を「片撚り糸」といいます。
撚りの方向はS撚り、またはZ撚りのどちらか一方で、ちりめんや御召は緯糸にS撚りとZ撚りの強撚糸を交互に打ち込んだ後に精錬や湯もみをおこなうことで、生地の表面にシボを出します。

諸糸

同方向の撚りをかけた片撚り糸2本以上まとめ、さらに逆の撚りをかけた糸を「諸糸(もろいと)」といいます。

壁糸

細い糸に太い糸が螺旋状に巻きついてみえる構造の糸を「壁糸」といいます。
強く下撚りをかけた太めの糸に無撚りの細い糸を引き揃えて、下撚りと反対方向に撚りをかけた糸で、壁ちりめんや壁御召など夏物に多く使われます。

駒糸/駒撚糸

上撚りと下撚りが非常に強い諸糸のことを「駒糸」「駒撚糸」といいます。
撚りの効果で織物表面がなめらかで肌触りがよく、駒絽、駒御召など夏物によく使われます。

節糸

ところどころに太細の節(ネップ)を入れた糸で、織物になると布面に表れる節が独特の表情になります。
太めでやや固いものが多く、玉繭からとった玉糸と同義です。

繭と絹糸について学べる施設

蚕から繭、繭から絹糸へと生まれ変わる流れを解説してきましたが、実際に過程を観察することはできるのでしょうか。

「製糸」といえば教科書にも載っている世界遺産の富岡製糸場が有名ですが、都内近郊の神奈川も含め見学や体験のできる施設を紹介します。

【神奈川】シルク博物館

絹の歴史や技術について、都心近くでリーズナブルに学びたい人におすすめなのが横浜みなとみらいにある「シルクセンター」内にあるシルク博物館です。

生きた蚕が桑葉を食べている様子や、時期が合えば繭をつくっているところを観察できます。
夏には「かいこ教室」が開催されており、実際に触ったり希少な天蚕(ヤママユガの幼虫)が作り出す黄緑色の繭が見られる可能性もあります。

糸繰り体験や機織体験もでき、館内の映像ライブラリーでは人間国宝作家による絹の染めや織りの技についての解説も視聴でき、子供から大人まで楽しめるため家族で学びたい人におすすめです。

【施設情報】
所在地:神奈川県横浜市中区山下町1シルクセンター2F
電話番号:045-641-0841
営業時間:9時30分~17時(入館~16時30分)
定休日:月曜(祝日の場合は翌日)
料金:一般500円、大学生・シニア(65歳以上)300円、高・小・中学生100円

[アクセス情報]
みなとみらい線(横浜高速鉄道)日本大通り駅→徒歩3分

【群馬/世界遺産】富岡製糸場

明治5年に明治政府が日本近代化のために設立し、世界遺産に登録されている「富岡製糸場」でも見学が可能です。
施設内には繰糸所の他乾燥場や保管所があり、世界文化遺産に登録された年には年間133万人もの人が見学に訪れています。

フランス式繰糸器の実演や蚕の生態展示、座繰りによる糸枠飾りづくりや繭クラフトなどの手作り体験も開催しており職人の技術を間近で体験できます。

【施設情報】
所在地:群馬県富岡市富岡1
電話番号:0274-67-0088(※見学予約に関する問い合わせ先です)
営業時間:9:00~17:00
定休日:年末
料金:大人1,000円、高校・大学生(要学生証)250円、小・中学生150円
☆オプションガイドツアー:大人200円、中学生以下100円

各種問い合わせ先はこちら↓

予約はこちら

【長野/国指定重要文化財】常田館製絲場

長野県上田市にかまえる「常田館製絲場」は、経済産業省認定近代化産業遺産・上田市指定文化財に指定されています。
生繭倉庫や選繭場も数多くあり歴史的価値も申し分なく、絹の国といわれた日本の中でも生糸の輸出を支え「蚕都上田」と呼ばれた上田市の産業を代表する施設です。

冬以外の時期で施設の一部を一般公開しており、なんと無料で見学できます。
団体見学でガイドを希望する場合は以前に問い合わせをしてみて予約に空きがあれば可能だそうなので、相談してみてください。

【施設情報】
所在地:長野県上田市常田1-10-3 笠原工業(株)内
電話番号:0268-26-7005
見学期間:3月20日より11月30日 期間内無休
営業時間:10:00~15:30入場
料金:無料

【長野】岡谷蚕糸博物館/シルクファクトおかや

製糸工場併設の博物館「岡谷蚕糸博物館」では、全国で唯一の製糸機械類を展示しています。
明治5年創業当時の官営富岡製糸場で稼動し、唯一残されているフランス式繰糸機や、武居代次郎が開発した諏訪式繰糸機など、日本を世界一の生糸生産国にした歴史的価値の非常に高い製糸機械類を見られるのはここだけです。

実際に日本古来の上州式繰糸機が稼働している様子の見学ができたり、着物の原料となる糸を吐く蚕の育つ様子や繭づくりの観察もできるため子供でも楽しめます。
定期的に様々なワークショップを開催しており、養蚕~製糸~製品化までを一年かけて体験する「おかやシルク次世代担い手育成プログラム」など後継者育成にも力を入れています。

【施設情報】
所在地:長野県岡谷市郷田1-4-8
電話番号:0266-23-3489
開館時間:9:00~17:00
休館日:水曜日

[アクセス情報]
JR中央本線 岡谷駅下車、徒歩20分

まとめ

着物を織りなす「絹」。

繭や製糸工程による違い、加工による違いなどで風合いがまったく異なるのも絹の魅力のひとつです。
専門的な知識にはなりますが、着物をより深く多角的に見られるようになりさらに着物が楽しくなるかもしれません。

多くの着物に触れたり、産地や職人さんの工房見学に行くと直接お話が聞けることもありますので興味のある方は是非足を運んでみてください。