着物の種類

2023.4.10

丸帯とは?袋帯との違いやリメイク活用方法、合わせる着物など解説

丸帯とは?袋帯との違いやリメイク活用方法、合わせる着物など解説

舞妓さんの特徴的な帯が印象深い、「丸帯」。
一見袋帯との違いがわからない…といった声もありますが、元を辿ると丸帯は袋帯の前身なのです。

現代では出番が少なくなってしまった丸帯ですが、
・現代でも活躍する場面
・丸帯をリメイクして一軍にする方法
などをご紹介します。

特に譲り受けて思い入れもある丸帯が、自分ではどうしても活用できない…という方は是非最後までご覧ください。

丸帯とは?

「丸帯」とは帯幅の2倍に織った生地を、縦に二つ折りにして筒状に縫い合わせた帯です。丸く縫い括った帯の形状から「丸帯」と呼ばれ、江戸時代中期から女帯として流行しました。

丸帯の歴史

江戸時代中期に誕生した女帯の一種で、袋帯の原型となった格式高い第一礼装用の帯です。
江戸時代から女性の髪型が大きくなりバランスをとるにつれて帯幅や帯結びも太く、大きく変化していったといいます。
当時中国から伝わった錦織や金襴、緞子などの豪華絢爛な織物を用いて織られていました。

現代の丸帯

昭和初期までは留袖や振袖に締められる主流の帯でしたが、裏表が豪華絢爛で重みのある丸帯は高価な上に重く扱いにくいことから、現代では本振袖(引き振袖)や白無垢、色打掛の掛け下帯といった花嫁衣裳や舞妓さんの衣装に使われています。

また、現代に売られている七五三用の帯は袋帯が主流ですが、昔はもちろん丸帯でした。
その名残で代々譲り受けた丸帯を七五三の帯として締められる家庭もあります。

丸帯の特徴

丸帯の特徴はなんといってもその華やかさと重厚さにあります。
一見袋帯との違いはわからないかもしれませんが、手に持ち裏地を見れば一目瞭然。

袋帯は表地と裏地が別々に織り上げられており、2枚の生地をひとつにして両端をかがって袋状に仕上げます。
大して丸帯はもともと裏表の生地を織り上げたのち、縦に二つ折りにして筒状に片端を縫い合わせて袋状に仕上げますので、重さは袋帯二本分ともいえます。

裏表がない丸帯はどんな帯結びでも表面が出るためたいへん華やかな仕上がりになります。
しかし、その重さや固さゆえに扱いづらく、結びづらいため現代では「着付け師泣かせの帯」ともいわれています。

丸帯の仕立て方

丸帯は袋帯よりも少々短めで、約4mの長さです。
幅1尺8寸5分(約70cm)、長さ1丈1尺5寸(約4m35cm)以上で作られた帯地を二つに折って袋状に仕上げ「片縫い袋」と呼ばれる綴じ方で仕立てます。

「丸帯」と「袋帯」の違い

あらためて、丸帯と袋帯の違いをおさらいしましょう。

仕立て 長さ 結びやすさ 外見
丸帯 片縫い袋 4m 重厚感があり結びにくい 表地のみで華やか 最上格
袋帯 縫い袋 4m20cm~ 比較的柔らかく軽い 裏地が見えない工夫が必要 現代では最上格だが洒落袋もある

丸帯の結び方

丸帯は固さなどの特徴から、結び方が限られています。

お太鼓結び

礼装のもっとも一般的な帯結びは「お太鼓結び」です。
背中のお太鼓の重なりによって「一重太鼓」と「二重太鼓」があり、現代の袋帯では礼装の場合二重太鼓が相応しいとされていますが、これには「お祝い事が重なりますように」といった願いが込められています。

現代の着物文化はルールが厳重で「二重太鼓の袋帯でなくてはならない」と思われる方もいますが、丸帯は最上格の帯なので長さの兼ね合いで一重太鼓になってしまっても問題ありません。

そもそも裏表のない帯ですし、厚みもあるので華やかさは十分なのです。

引き抜き結び

重厚さから一人では結びづらかった丸帯のために工夫された帯結びに「引き抜き結び」があります。
完成した見た目はお太鼓結びですが、引き抜き用の丸帯は柄付けに特徴があります。

帯を結ぶとき、たれ部分が残るように太鼓になる部分だけを引き抜くためにお太鼓の柄とたれの柄の上下が逆さまになっているのです。
通常のお太鼓結びをしてしまうと柄がちぐはぐになってしまうため丸帯を結ぶ際には仕立てを確認するようにしましょう。

だらり帯

現代でも舞妓さんの帯結びの代名詞といえばこの「だらり帯」です。
帯をだらりと垂らしているため、裏表がしっかり見える結び方に袋帯を用いると裏地が丸見えになってしまいます。

丸帯は裏表がなくどの角度から見ても華やかなため、舞妓さんの衣装に取り入れられています。

丸帯のリメイク活用方法

丸帯はその特徴から徐々に淘汰され、現代ではほとんど作られていません。
実際に自分で締めることは難しいですし、重く着疲れてしまいます。
ですが、丸帯は裏表が立派な織り地なので手元にある場合そのまま仕舞って置いたり、わざわざ新しい礼装用の袋帯を購入するのは気が引けますよね。

そのままでは活用しづらい丸帯ですが、現代に合わせた仕立て替えがおすすめです。

袋帯に仕立て直す

丸帯が敬遠される理由は、先述したように重さ、固さ、結びにくさが原因です。
着付け師さんですら人に結ぶのが大変な帯ですから、もし礼装として自分で着付けを考えているとしたら丸帯は選択肢に入らないでしょう。

今後礼装に締める帯として活用したい場合は、袋帯への仕立て替えがおすすめです。
丸帯は袋帯が2本とれる生地があるため、縦に裁断し裏地をつければ袋帯へと仕立て替えることが可能です。

気になるのは長さですが、全通帯として仕立てる場合は丸帯従来の長さで4mの仕上がりになるため二重太鼓にできるかは体型によって変わりますが、通常の袋帯とは勝手が変わります。

同じ感覚で二重太鼓を結ぶ場合は足りない長さ分接ぎ(足し布)をして袋帯の長さにそろえるのがおすすめです。
現代の袋帯の主流でもある「六通柄」であれば別生地を見えない部分に足せばよいですし、全通柄にこだわりたい場合は縦に裁断した丸帯の残り生地を接ぎ足せば可能です。

全通柄にした場合は帯にはできない長さの表地が余りますのでそれらは小物等に活用するのもおすすめです。
六通柄であれば袋帯を2本に分けられるため、例えば親御さんから譲り受けた丸帯を姉妹で一本ずつ袋帯として持つ、というのも素敵ですよ。

七五三で7歳のお嬢さんが締める袋帯の長さも3.5~4mほどなので、母娘で分けるのもおすすめです。
ただし袋帯に仕立て替えても丸帯ならではの重厚感は変わらない為、七五三用として仕立てる場合は仕立て屋さんに相談してみましょう。
帯によっては向かない場合もあります。

仕立てを受けている着物屋や悉皆屋なら相談にのってくれる場合が多いです。
近所であれば実物を見ながらの相談もできますので一度問い合わせてみてください。

小物に作り替える

帯に仕立て替えた余りや、もう帯としては活用しない…と考えている場合は、室内で使える小物に作り替えるのもひとつです。

例えば、自宅のテーブルランナーや棚の内側に敷いてコーディネートの一部に取り入れたり、タペストリーとして飾るのも素敵です。

バッグや鼻緒にリメイクするのも素敵ですが、丸帯によっては刺繍糸の始末や紫外線との兼ね合いで向かないものもあるようです。
リメイクを希望する場合は業者さんに相談してみてください。

着物リメイクのお店 カナタツ商店

丸帯をはじめ着物関連のリメイクを専門で受けている「カナタツ商店」では、帯地からバッグやクッションなど幅広い商品を制作しています。
店舗によって対応できる内容は変わるため、こだわりがある人は専門店に相談するのがおすすめです。

【店舗情報】
所在地:熊本県熊本市東区尾ノ上1丁目13-7-2F
TEL:096-285-6621
営業時間:10:00~17:00
定休日:土・日・祝日

丸帯の着用シーン

現代で丸帯の状態で活用したい場合の着用シーンについてみていきましょう。
大前提として丸帯を今礼装に合わせるのはもちろん可能です。
特徴を踏まえたうえで、尚締めたい場合は注意点と着用シーンを押さえておきましょう。

花嫁衣裳として使える?

振袖や白無垢、打掛にあわせる帯としての着用はもちろん可能です。
ただし、振袖の帯結びは年々凝った形が増えており、丸帯では現代的な帯結びはできない場合が多くなります。

伝統的なふくら雀や立て矢などの帯結びであれば丸帯ならではの重厚感が良い方に生かされ美しい形に仕上がりますのでクラシックな雰囲気を楽しみましょう。

七五三に丸帯は重すぎる?

最近の七五三では簡単に結べる「つくり帯」が多いですが、手結びの場合でも袋帯が主流です。
昔はもちろん袋帯はありませんでしたので、七五三でも丸帯を締めてつけ帯を解く儀式を行いました。
現代売りに出ていることは稀ですが、受け継いだ七五三用の丸帯が手元にあるようならお嬢さんに着せてあげると非常に格式高く品が出ます。
ただし、現代の帯よりも重厚感があるのは変わりありません。
和装になれていない現代のお嬢さんはお腹周りに重いものを締められることに慣れていないため、体調や反応を見ながら対応してあげるのがおすすめです。

もし丸帯を袋帯に仕立て替えて七五三用として使用したい場合は、軽さを重視して長さも最低限の7歳用にし、裏地も軽い袋帯に仕立て替えるのが得策です。
思い切って小袋帯(半幅帯の袋仕立て)にしてしまっても良いかもしれませんが、家柄や土地によって意見が分かれますので、親戚で相談されるのがおすすめです。

まとめ

現代では出番が少なくなってしまった丸帯ですが、譲り受けたものは思い入れも深い場合が多いようです。
自分では結べないけれど、手放す気にはなれない…丸帯に限りませんが、着物にはそんな声がつきものです。

そのままの状態で活用できないものは、アレンジを加えて現代に合った状態で楽しむのが一番です。
是非思い出の丸帯を、とっておきの一本に生まれ変わらせてコーディネートしてみてくださいね。